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それこそどこにすっ飛んで行くか

そうは言っても、ミコナもまだ子供だし、猫の専門家のように知識や経験が豊富というわけでもありません。部屋に戻って姿を隠すのが一番だとは思うんですけど、実はミコナもトイレに行きたいから部屋から出てきたんです。


だからあまり余裕はなかったり。


でも、トイレに行くには猫のルリアの脇を通り抜けないと行けません。仕方なくそっと足を踏み出したけれど、


「!?」


猫のルリアはそんなミコナの動きにビクッと体を反応させて、身構えました。それこそ今すぐに全速力で逃げ出せるように。


だけどそうやって逃げ出したらそれこそどこにすっ飛んで行くか分かりません。ましてや家の外になんて逃げられたら戻ってきてくれるかどうかも分からない。


今はまだカリナの他にはフカくらいしか近寄らせてくれないんです。気を許してくれてるわけじゃないですから。


『猫は人じゃなく家につく』


とは言いますが、今のところ猫のルリアは、


『カリナの部屋についている』


という感じでしょうか。カリナの部屋の中にいる分にはリラックスもしてるんですけど、普段は外に出ようともしませんでした。


それがこうやってドアが開いていたからといって出てきたのだとすれば、少しだけでもこの家を探索しようとしてくれたのかもしれません。それは家につこうとしている予兆だったのかも。


だけどそこでもし怖い思いをさせてしまったら、カリナの部屋に戻れないとなったら、安全な所を求めてそれこそどこかに行ってしまうかもしれない。そんなことになったら取り返しがつきません。


ミコナはカリナから<猫のルリアとの付き合い方>について多少でも聞いていたからそれが分かってしまったんですね。


ドアをちゃんと閉めていなかったのはカリナの責任かもしれませんけど、だからといって『猫のルリアを逃してしまってもいい』ということにはならないでしょう。


ミコナは、


『カリナがちゃんとドアを閉めておかなかったのが悪いんだから、猫のルリアがいなくなってしまっても私の所為じゃない』


という考え方はしません。その一方でカリナは、


『ミコナさんの所為じゃないです。ドアをちゃんと閉めておかなかった私が悪いんです』


と口にするでしょうね。そういう人達だから一緒に暮らすことができています。


『お前が悪い!』


みたいにお互いに相手に責任をなすりつけようとするような人だったら一緒には暮らせていなかったでしょうね。その上でウル達が探してくれるでしょう。


しかも実を言うと猫のルリアには首輪にICタグが耳にはマイクロチップが埋め込まれていてもし迷子になってもそれで探し出せるようにはなっているんです。


ただ、ミコナはそのことを知らなかったし、知っていたとしても、


『だから逃げても大丈夫』


とは思わないでしょうけどね。



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