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特に心残りが強い順

魂として帰ってくるのはたいてい一人。それはなぜかはよく分かっていませんがずっとそうなんだそうです。


『特に心残りが強い順』


『帰ってくることを特に強く望まれている順』


とも言われてますけど、実際に確認できたことはこれまでありません。


でもだからこそ、本人に強い心残りがなかったり本心から望まれていなかったりすると帰ってこないのではないかとも。


けれどそれを口に出すことは憚られるので、はっきりと言う人はほとんどいません。そんなのは相手を傷付ける行為ですからね。


たまに遠慮なく口にする人もいないわけじゃないですけど。しかもそういう事を平然と口にできる人のところには帰ってこないことが多いとも言われていたりいなかったり。


もしかするとそれだから帰りたくなかったりするのかもしれないですね。もっともそれを確かめる術もありませんけど。




夏休みまであと数日となったある日、ミコナは、家の廊下で、猫のルリアとばったり顔を合わせました。


自分の部屋から出てきたらそこに猫のルリアがいたんです。普段はたとえドアが開いていてもカリナの部屋から出てこないのに、その日はなぜか廊下にて。


「……」


明らかにミコナに対しても警戒した様子の猫のルリアは彼女の出方を窺うかのように身構えています。


だけどカリナの部屋のドアはほとんど閉まっていてさすがに猫のルリアでも通れそうにない状態でした。家から出た後で何かのはずみで隙間が狭まってしまったのでしょう。もしかすると興味本位でドアの外に出てみたけど戻れなくなってしまって途方に暮れていたところにミコナが現れた感じかもしれません。


『どうしよう……』


下手に近付こうとしたら怖がらせてしまうかもしれないので、ミコナの方としてもどう対処すればいいのか思案してしまいます。


<人間の子供が嫌いな猫>


って結構多いですよね。


人間の子供は猫に不用意に近付こうとすることが多い。それは小さな生き物に対して興味を惹かれるからなんでしょうけど、けれどそれは実は<小さな生き物>からするととても怖いことらしいんです。


だってそうですよね。人間の子供は人間としてみたら小さい方ではあっても、もっと小さい生き物から見たらとても大きな怪物みたいな存在です。それがすごい勢いで近付いて来るなんて、少し想像してみたら分かるんじゃないですか? どれだけ怖いことか。


だけど子供にはそれがまだよく分からないことが多いからついつい自分の興味を優先してしまってすごい勢いで近付こうとしてしまったりする。だから怖がられる。嫌われる。


ミコナはそれを知っていました。猫のルリアを怖がらせたくないから、どうすればいいのか思案するんです。



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