子供みたいにわくわくした様子
それでもルリアもミコナのことでお話ししたいですからハカセと一緒に学校に向かいます。
「それじゃ、行ってくるから。お願いね」
「はい、お気を付けて」
カリナとそうやり取りして見送られて家を出たルリアとハカセは、今日は自転車に乗っていきました。ハカセが作った小型マナ転換炉搭載の電動アシスト自転車でした。
だけどこれについては、ハカセより先に作った企業があってハカセのそれはさらにコンパクトにまとまっていたんですが後追いの形になったことでそんなに凄い売れ行きというわけでもありませんでしたね。
だけどこれもこういうものですから別に気にしていません。家族が無理なく暮らせていける程度にはお金も入ってきてますし。
ハカセは好きな発明をすることで家族を守れるなら、それが一番の報酬なのでした。
小型マナ転換炉を積んだ電動アシスト自転車は空気中のマナを電気に変えてくれるので充電が要りません。だけど空気中のマナだけだとこのサイズの転換炉では自転車のアシストをする程度の電気しか生めませんでした。
だけど『アシストだけできればいい』わけですから逆にちょうどいいという面もあったり。
ちなみにハカセが買い物に行ったりする時に使うスクーターにもマナ転換炉が使われてて、でもこちらは出力を上げるためにキャンプとかで使われるような固形燃料をエネルギー源にしていたり。
それぞれの用途に合わせて工夫されています。そういうのもハカセの<発明>には含まれていますね。
こうして学校に向かっている途中、ルリアは前カゴに乗っていました。
初めて自転車の前カゴに乗った時には、
「ずっとこうして前カゴに乗ってみたかったんだ!」
オウがドンキーに乗った時みたいなことを言ってましたね。
自転車の前カゴに乗ったルリアは、もう何度目かなのに子供みたいにわくわくした様子でした。
マナ転換炉をベースにしてることで空も飛べるし壊れないからできることではありますけどね。人間だと危なくてダメです。許されません。
だけどいずれはこれも禁止されるかもしれませんが。かぷせるあにまるが現れたことに法律が追い付いていないだけですし。
「こんなことしてられるのも今のうちだけかもね~」
ルリアも承知していました。するとハカセは、
「自転車用のチャイルドシートがありなんだから、ちゃんと固定できる座席を前カゴ部分に取り付ければ大丈夫なんじゃないかな」
と応えて、さらに、
「かぷせるあにまる用のシートを作るよ」
とも言いました。<発明>とも言えないようなささやかなものですけど、ルリアのためのものなんですから、ハカセには十分に作る意味があるものでした。




