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気持ちの良いジャンプ

猫のルリアは、自分の力を爆発させるみたいにして、一気に飛び出しました。まずはベッドに向かって。足をつき体を翻し、さらにジャンプ。


完璧にイメージ通りのジャンプができました。我ながら素晴らしいジャンプだと思います。


跳躍時の姿勢も完璧です。これほどのジャンプはもしかすると生まれて初めてかもしれません。それほど気持ちの良いジャンプでした。


するとそのボールのような丸い奴は、


「うおっ!?」


驚いたように声を上げます。その顔に右前足でパンチ! 綺麗に床に叩きつけられるそいつの姿が頭によぎります。


なのに、


「!?」


繰り出した右前足には感触がなくて、猫のルリアの体が宙を泳ぎ、仕方なく体制を整え、足を広げ着地に備えます。


これまでにない完璧な一撃だったはずなのに、まさかかわされるとは。


何とも言えない悔しさの中、猫のルリアの体は床へと落ちていきます。


これまでで最高のジャンプをかわされて悔しい気持ちで床に降り立った猫のルリアを見下ろしていたのは、フカでした。フカがカリナの様子を伺いに来ていたんです。


「なんだお前は。やる気か?」


言いながら、フカがシュッシュッとヒレをパンチのように繰り出します。けれど小さなヒレをそんな風にしたって迫力は全然ありません。実はそのことはフカ自身、承知しています。フカが本気で相手を威嚇する時には牙をガチガチと噛み鳴らします。


ということはこれは本気で威嚇しているわけじゃありませんね。ただのポーズです。


そんなフカに対して、猫のルリアも、再び身構えました。真っ直ぐにフカを睨みつけてお尻をフリフリ。飛びかかるタイミングを計っています。 その姿はまるで野生の猛獣のようにも見えるのに、やっぱりなんだか可愛いです。


カリナとしては、


「だめだよ、ルリア!」


ハラハラしてしまいますけど。


シュッ、シュッ、っとパンチのようにヒレを繰り出すフカに向けて、猫のルリアは再びジャンプ。フカがさっきよりも低い位置にいたので床からのそれでも十分に届く高さでした。


けれどフカだって当然ながら何もしないわけじゃありません。ひらりと体を翻し躱します。


再度、床に降り立った猫のルリアも、このくらいでは諦めません。挑発するようにフカがやっぱりヒレをシュッ、シュッ、って繰り出してくるその動きがやっぱりたまらなくて。ぎゅっと体中の筋肉を引き絞り、狙いをつけて、ジャンプ! フカがそれを躱して、


「来いよ! おら! どんどん来い!」


声を上げます。それに合わせて猫のルリアも何度も何度も、ジャンプ。


そうやって十回以上、全力のジャンプを繰り返したことで発散できたのか、床に降り立った猫のルリアはもう身構えることはせず、今度はスパッとベッドに座っていたカリナの膝に飛び乗って、腰を落ち着けてしまったのでした。



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