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この学校の主

ところで、大叔母さんの魂が宿っていたことで<人生二周目>と言われるほどに老成した雰囲気を持っていたセイラはと言うと、


「分かりました。それではそのように」


さすがに十年以上も大叔母さんの記憶と一緒に暮らしてきたからかもうすっかりセイラ自身の人格と結びついてしまっているみたいで、ウル達のように幼い感じになってしまうこともありませんでした。


五年生になり、六年生どころか教師でさえ貫禄負けするセイラは、もはやこの学校の<(ぬし)>のような存在ですね。


「なにか?」


エティトが自分を見ていることに気付き、セイラが問い掛けてきます。


「いやいや、なんでも。セイラはすごいなあと思ってね」


笑顔でそう言うエティトに、


「そうですか? 私は自身の能力を役立てることを心掛けているだけに過ぎません」


やっぱり小学五年生とは思えない貫禄で応えたのでした。その時、


「おはよう……」


声は小さいけれど確かにそう挨拶して教室に入ってきたのはソリティでした。


五年生に進級して、マインは担任ではなくなりましたけど、それでもたくさん話をしてくれます。ソリティとのそれはマインにとっても大変に有意義な経験になり、以前のように一方的に自分の考えを押し付けてくることがなくなり、やる気が少し空回りしているような印象も薄れ、落ち着いた雰囲気を醸し出すようになってきて、生徒からの人気もさらに出てきたようです。


経験を活かすというのでやっぱりとても大切なことだということでしょうね。


そしてそれは、ソリティも同じ。自分の両親とできない話もたくさんできて、本当にいろんなことを学べました。マインは確かに教師としてはまだまだ未熟なんでしょうけど、それでもソリティよりは人生経験を積んできた大人でしたからね。


「おはよう♡」


挨拶をして教室に入ってきたソリティに、ミコナも応えます。すると続けて、


「おはよう!」


「おは~♡」


「おはよう」


「おはよう……」


エティトとルプスとルイネとエンファも挨拶を返します。さらには、


「おはようございます」


「おはよう…」


「おはよ~」


セイラとアルマと、セイラを慕って集まってる子達も。


それがもう当たり前の光景になっていました。タムテルは残念ながら挨拶はしてくれませんでしたけど、それでも表情は穏やかで、何か思い詰めてる様子もありません。


そして授業が始まっても、だいたいみんな、真面目に授業を受けてました。




放課後、フカとティーさんが学校に来て、フカはタムテルと、ティーさんはミコナとサンギータ達と一緒に帰ります。


フカはやっぱり、タムテルと公園とかで一緒に過ごしてから彼を家まで送り届けて、それからミコナの家に帰るんです。



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