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仕事はこれまでどおりに

仕事はこれまでどおりに夕食の用意が終わるまでです。住み込みだからってずっと仕事をしてもらうわけじゃありません。


カリナの部屋は元々は子供部屋の一つとして用意されていたものでした。けれどルリアが亡くなってミコナの次が生まれてくる可能性もなくなってずっと空き部屋になっていて。


しかもハカセは研究室の他にはリビングと寝室しか使いませんしミコナも自分の部屋はありますけど普段はリビングにいるのでほとんど使われていません。


ルリアの部屋も実は亡くなる以前からやっぱりリビングにいたのでただの私物置き場になっていました。


だからこの家はリビングと研究室と寝室だけあれば間に合っていたんです。なので一部屋だけでも使ってもらえれば逆にありがたかったんですよね。


もっとも、そうは言っても誰でもいいと言うわけじゃありませんけど。


クローゼットに入り込んで出てこようとしない猫のルリアに、


「そんなに怖がらなくても大丈夫だよ」


カリナは声をかけますけど、猫にそういうのは理解できないのは当然ですよね。猫には猫の感覚があってそれを基にして安全かどうかを確かめてるんですから人間が言葉で『安全だ』と主張したところで納得できるはずがないんです。


ミコナ達はちゃんとそういうことについても理解してくれているので、家で猫を飼うリスクについても覚悟の上で承諾したんです。相場の三分の一程度といえ家賃ももらうようにしたのもそれも含んでのことです。人間の理屈は猫には通じません。


飼い主がどんなに気を付けようとしていても100%完全に制御できるわけじゃないんです。だって人間とは別の生き物なんですから。それ以前に人間だって100%完璧ではいられませんよね。


そう考えればリスクはあって当然なんです。


それで考えると元々<ペット禁止の物件>はそういうリスクをあらかじめ回避したいからペットを禁止するのであって、


『家族なんだから一緒に暮らせて当たり前!』


っていうのは違いますよね。だって『人間じゃない』のは事実ですから。


それにペットもOKの物件だってありますし。それをわきまえてくれる人でないとやっぱり部屋を貸したりするの不安でしょう。


『お金を払うんだから好きにしていいはずだ!』


というのが通るなら<契約>なんて要りません。カリナとの契約はあくまでもそれを踏まえた上で、


『カリナだから信頼できる』


というだけですね。カリナ個人を信頼しているというだけでしかありません。そしてカリナの方もその信頼にちゃんと応えようとする人なんです。


同時にカリナもルリアやハカセ達のことを信頼しています。だけどそれはやっぱり猫のルリアにはそれは通用しなくて、まさにこれから信頼関係を築いていくところですね。



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