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フカ以外の何かじゃない

カリナにタオルで体を拭いてもらった上で、フカは洗面所で体を洗います。さすがにタオルで拭いただけじゃ完全には綺麗になりませんから。そしてまた、濡れた体をカリナに拭いてもらうんです。


カリナも、そうしたいからそうしてくれる。


ルリアの魂が抜けたことであどけない感じになってしまったフカですけど、これまでのことはちゃんと覚えてて、そして何より、今までのフカの行いは、フカ自身が考えてそうしてたんだというのは分かります。ルリアの魂と知識と記憶が影響を与えていたのは事実でも。


だから、フカはフカなんです。


フカ以外の何かじゃない。


それがカリナにも分かります。分かるから、とても愛おし気にフカの体を拭いたりも。


けれど、それが面白くない者もいる。


オウでした。


「フカ! 自分の体くらい自分で拭け! むきーっ!」


と言って怒っていたのでした。


「なんだ、オウ! ヤキモチか!?」


フカが言うと、


「ヤキモチではない! 当たり前のことだ!」


オウも言い返します。


そしてフカがオウに飛び掛かって、わちゃわちゃと。


「ああ、やめてください、二人とも!」


カリナは慌てて止めようとしますが、ルリアは、


「あらあら」


微笑ましそうに笑顔になるばかりで。けれど、


「こらーっ! カリナが困ってるだろ!」


ウルが二人を諫めて、


「しょうがない人らでんなあ」


ティーさんは呆れた様子で、


「やめなよ、二人とも……!」


ガーはオロオロしながらも言いました。


「お願いします。落ち着いてください」


カリナはフカとオウを一緒に抱き締め、懇願します。


「む……お前がそこまで言うなら……」


「俺は別に……」


フカもオウも、お互いに顔を逸らしながらも言ってくれたのでした。


一方、学校では、エティトが、


「お姉ちゃんが帰ってきてくれてさ! 伯父さんと伯母さんもすっごい喜んでた! ありがと、ミコナ!」


ハカセが完成させたかぷせるあにまるに、病気で亡くなった従姉の魂を宿らせることができたことを笑顔で報告してきました。


「よかったね、エティト!」


ミコナも笑顔で喜んでくれます。


今回のエティトのように誰かが喜んでくれるのが、ミコナも嬉しいんです。ハカセもそれ。


今回、かぷせるあにまるを完成させたことでセイラの家の会社がかぷせるあにまるの量産・販売に動き出すことになったわけですけど、それはきっと大変な利益を生むでしょうけど、ハカセもミコナも、そのこと自体はそんなに興味もありません。笑顔になってくれる人がたくさんいればそれでいいんです。



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