あったかいお人やな……
「ほな、これから帰りまっさ」
そう伝えて電話を切り、
「おおきに。助かりましたわ」
ティーさんは端末をセイラに帰しました。
「いえ、私もミコナさんにはお世話になっていますから」
セイラは言いながら端末を受け取ります。そこに、大叔母様が、
「早くご家族に無事な顔を見せて差し上げてください。それで、もしよろしければ、今度、お茶にしませんか?」
そう提案を。するとティーさんも、
「そら、嬉しいお誘いや。ぜひ」
笑顔で応じます。こうしてお茶をごちそうになる約束を交わし、ティーさんは手を振りながらミコナの家に向かって飛んで行きました。
『あったかいお人やな……』
改めてセイラと大叔母様の人柄に触れてそう感じたティーさんも笑顔になっていました。
このあと、十五分ほどでティーさんは家に帰りつき、セイラと大叔母様にお茶に誘われたことを告げて、ようやく寛げたのでした。
翌日、ミコナが学校に行くと、
「おはようございます。ミコナさん」
セイラの方から話し掛けてきました。
「昨日ティーさんはお話しさせていただきましたが、明日の祭日にでも一緒にお茶にしませんか?」
「あ、はい! 是非!」
ミコナが応えると、
「いいな~」
いつもセイラと一緒にいる子達が声を上げました。けれどそれに対してセイラは、穏やかに笑顔を向けて、
「申し訳ございません。皆様につきましてはまた改めて機会を設けますのでご了承くださいませ」
丁寧に断りを入れてくれたことで波風も立たなかった。こういうところがセイラのすごさでした。人は、自分以外の誰かが優先されているように感じるとついつい妬んでしまったりするものですけど、セイラはそうならないように配慮ができるんです。だから彼女の周りにいる子達も、ミコナを羨ましがることはあっても妬んだりはしないのでした。
翌日、ミコナの家に迎えの車が来ました。シルバーのワゴン車でした。それに、ミコナとルリアとティーさんとウルとガーが乗ります。オウとフカは、それぞれ、
「俺はここを動かぬ!」
「オレはいい……」
とのことでした。ミコナにはルリアがついていれば大丈夫ですし、ハカセはお仕事がありますし。そんなわけで、ハカセとオウとフカを除いたみんなでセイラのお屋敷に向かいます。
「ふわ~…」
「立派なお屋敷ね」
ミコナとルリアが溜め息混じりにそう声を漏らしました。大きな門が自動で開いて、ワゴン車はゆっくりと中に進みます。そしてこれまた立派な玄関の前に止まると、扉が開いてセイラと大叔母樣が姿を現して、
「ようこそ。わざわざご足労ありがとうございます」
丁寧に挨拶してくれました。それに対してルリアが、
「いえいえ、こちらこそ本日はお招きいただき、本当にありがとうございます」
頭を下げると、
「ありがとうございます」
ミコナとウルとティーさんとガーが揃ってお辞儀したのでした。




