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平和なもんだった

そうしてティーさんがサンギータの様子を確認しているところに、ミコナ達を乗せたバスが帰ってきました。


するとフカはバスの屋根から下りて、ティーさんとサンギータのところに。


「お疲れさん。どないでっか?」


問い掛けるティーさんに、


「ああ、平和なもんだった」


フカがシニカルな笑みを浮かべながら応えます。でも、それが照れ隠しだというのは分かっているので、ティーさんも何も言いません。


「そらよかった」


笑顔で返すだけです。そして視線を向けると、バスから降りたミコナが手を振っていました。教師が点呼を取って、


「気分が悪い人はいませんか?」


と確認を取って、問題がないことが確かめられると、


「それでは、ここで解散です。気を付けて帰ってくださいね」


「は~い!」


遠足は終わりを告げました。


「よし、じゃあ私も帰りますか」


サンギータが言いながら立ち上がったのでした。


サンギータは、ミコナを迎えに来たティーさんと途中まで一緒に帰るために待っていたんですね。ミコナに手を振りながら近付いて、ルイネやエンファとも並んで校門を出て歩き出します。


一方フカは、タムテルと一緒に校門を出ました。いつもの公園に寄ってしばらく遊んでから帰るために。


普段よりは時間も遅いので一緒にいられる時間は短いですけど、タムテルも以前よりは自分を保てるようになってきてるので、そこまで気にしなくても大丈夫です。だけどそれは、母親のことを無視できるようになってきたという意味でもあります。母親に何を言われても平気になってきたということでも。


フカがいてくれるから、母親のことを気にしなくてもいられるようになってきただけなんですね。残念ですけど母親が変わってくれないのならタムテル自身がそうなるしかなかった。サンギータとヴァドヤが父親であり夫である人のことを気にしなくなったのと同じです。


そんな感じで、何もかもがすっきりと解決はしないというのが現実というものでしょうけど、でも、ほんの身の回りの一部分だけならある程度は改善されることもあるのも事実でしょう。だから、全部をきれいさっぱり解決することを目指すよりも、いかに普段の日常を平穏なものにできるかを目指すのが確実なんでしょうね。


だって、子供はいつか親の下を巣立っていくんでしょう? だとしたら親の問題まで解決する必要なんてないじやないですか。それとも、いずれ子供の世話になろうとしてすり寄って来るから、今のうちに解決しておかないとダメということでしょうか。


だとしたら親の方がやっぱりおかしいんじゃないですか? 巣立っていった子供の人生をかき乱そうだなんて。自立した大人のすることじゃないでしょう?


タムテルもサンギータも、いつかそういう問題に直面するかもしれません。だからこそそういう時に力になってくれる人が身近にいてくれるような人でいなくちゃいけないんです。



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