自分の部屋で
そうしてミコナとルリアとガーが一緒にお風呂に入っていた頃、カリナは自分の部屋でネコと戯れていました。彼女の今の家族の、
<ルリア>
です。そう、ルリアの名前を付けたネコと一緒に暮らしているということなんですね。
ネコのルリアは、カリナが以前に勤めていた職場の同僚の女性が飼っていたネコが子供を生んだので譲り受けたコでした。その子猫にルリアの名前を付けて一緒に暮らしていたんです。小さい頃はすごく甘えん坊で、カリナが仕事に出ていると部屋の中を滅茶苦茶にしたりもしましたけど、カリナはむしろそれを片付けるのが楽しみになっていったんです。
実は、家事のスキルもその時に磨かれたものという一面もあったり。元々嫌いじゃなかったんですけど、さらにということですね。
そんなネコのルリアも、成猫になってからはかなり落ち着いて、おとなしく待っててくれるようになりました。だから夕食まではミコナ達と一緒でも大丈夫になったんです。加えて同居人であるカリナの機嫌がいいことを察していて、それで落ち着いているというのもあるようです。
でも同時に、カリナが帰ってきておもちゃを手に自分に構ってくると、
『しょうがないなあ、構ってやるか』
と言わんばかりに彼女が差し出すおもちゃに飛びついたりしてしばらく遊んで、だけど飽きてくるとテーブルの上に寝そべって、
『もうこれくらいでいいでしょ』
って感じで尻尾だけをぱたぱたさせたりするんです。でも、そんな姿がまたカリナにはたまらなくて、頬が緩んでします。
「ルリア、ありがとう。私と一緒にいてくれて。あなたのおかげで私も癒されてるよ」
そんな風にお礼を口にするものの、もちろん、言葉の意味は通じてません。その一方で、カリナが穏やかな気持ちになってるのは伝わっているんでしょうね。
ネコのルリアも「ゴロゴロ」と喉を鳴らしていたのでした。
そうしてみんなが楽しく時間を過ごせて、ミコナもとうとう六年生に。もちろんそれはルイネやエンファやエティトやルプスやセイラやソリティやアルマやタムテルも一緒。
いよいよ最上級生です。みんな背も伸びて、なんだかちょっぴり大人に近付いたかも。だけど、
「あ~っ! エティトとルプスは別のクラスかあ!」
ミコナがちょっと残念そうに声を上げました。さらに、
「セイラさんも別になっちゃったね」
ルイネが言います。
結局、ミコナとルイネとエンファはまた同じクラスになれましたけど、エティトとルプスとセイラとソリティとアルマとタムテルは別々のクラスに。
一方、サンギータは、小学校の隣に建っている中学校に進学したので、実は今も一緒に帰っています。当然、デスメタル女子小学生からデスメタル女子中学生になって、でも、実は中学校も私服だから、相変わらず鋲がいっぱい打たれた服を着てますね。