表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/114

はっきり気になっていて

そんな感じでオウが子供達の相手をしてくれている間にカリナも買い物を終えられ、それからはオウと子供達の様子を何とも言えない穏やかな表情で見守っていました。


以前は、ルリアの魂を宿しているから気になっていたオウのことが、今はただ、オウとして見ることができています。


ただ同時に、フカのことも気になっていて……


『私って、浮気性なのかな……』


そんな風にも思って今います。そうなんです。ルリアのことも今でも好きだし、でも、オウのことも、フカのことも、はっきり気になっていて。


ウルやティーさんやガーのことは普通に家人として接することができてるのに、オウとフカのことは、間違いなくそれ以上に思ってしまっているのも確かなんです。


と、そんなカリナが自分を見詰めていることに気付いて、


「む? 買い物が終わったのか?」


そう尋ねてきたのでした。


「はい、終わりました」


オウに問い掛けられてカリナは笑顔で応えます。


「ちょっと待ってろ。この者達の親が戻ってきたら俺も行く」


そう言うと、瞬間、


「ママ!」


「またね、王様!」


子供達はそれぞれ母親を見付けてそっちに向かいました。オウが帰るのを察したというのもありそうな勢いです。そんな子供達を見送って、オウは、


「うむ。元気な奴らだ」


満足そうに羽を組んでふんぞり返りました。そしてカリナのところに戻り、


「では、帰るぞ!」


ピッと羽を出口の方に向けて指しました。


「はい」


カリナはやっぱり笑顔で応えます。以前に比べれば幼い印象になったと言っても、オウはやっぱりオウでした。それがカリナも嬉しくて。


オウのこともフカのこともルリアのことも気になるけれど、考えてみたら相手は人間じゃないんですから、誰か一人を選ぶ必要もないんでしょうね。




こうして買い物を終えたカリナとオウが家に帰ると、


「あ、ごめんね。今からちょっと出かけてくる」


ルリアがそう声を掛けてきました。


「あ、はい。いってらっしゃいませ」


応えたカリナは、ルリアとウルとハカセがバイクに乗って出かけていくのを見送ります。


「ふん、またあの喫茶店か」


オウが言ったとおり、ルリアとウルとハカセは、以前にもウルとハカセが行ったカフェに向かったのです。


実はこれまでにも、ウルとハカセは何かとそのカフェに行ったりしてしました。ただそれは、ルリアの魂の一部が宿ったウルとハカセがゆっくりと時間を過ごすのを邪魔しないためで、ルリア自身がこうしてかぷせるあにまるとして顕現できたのなら、当然、ルリアも行くことになるでしょう。


カリナもそれは分かっていましたから、笑顔で見送ることができたのでした。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ