寝てるのが惜しくて
「おはよう! ママ、パパ!」
「おはよう、ミコナ」
「おはよう」
朝、寝てるのが惜しくて、ミコナは自分で起きてきます。なんなら空が明るくなった頃には起きてくることがあります。彼女にとってこの世はとても楽しいことがいっぱいだからです。
しかも、ミコナのママであるルリアが<イルカの形をしたかぷせるあにまる>として帰ってきたとなれば、寝てなんていられません。
そんなミコナを追って、
「おはよう!」
「おはようさん」
「おはよう」
「よう」
「おはようございます」
ウル、ティーさん、オウ、フカ、ガーもリビングに。みんな一緒に寝てたんです。
「じゃあ、朝ごはんにしましょうか」
ルリアがそう言うと、
「は~い♡」
満面の笑顔で、ミコナ達も応えます。そんな光景をハカセが目を細めて見ています。こうしてミコナ達の一日が始まります。
「うふふ♡ 一気に子だくさんになっちゃったね」
ルリアが言うと、
「やっぱり、僕と君の子供なのかな……?」
ハカセが少し困惑したように言います。けれどルリアは笑顔で、
「私とあなたの存在が混ざり合って生まれたコ達なんだから、私とあなたの子供に決まってる。それとも、認めたくないの? お父さん?」
語り掛けました。それに対してハカセも、
「まさか。大歓迎だよ」
と口にした後で、
「確かに、君と僕の存在が合わさったところに新しい魂が生じる。まさに子供が生まれる時のそれだね」
嬉しそうに呟きました。
そう。ウルも、ティーさんも、オウも、フカも、ガーも、新しい存在として生じたんです。魂がそこに生じたんです。
新しい家族として。それがまぎれもない事実。そんな朝食はとても賑やか。ウル達は本来なら食事は必要ないんですけど、逆に食べたってそれをマナに変換し利用できるので、モリモリと食べます。
「ルリアの作るゴハンはやっぱり美味しいな!」
「ほんまや!」
「当たり前だ、ルリアだぞ!」
「黙って食え! 要らないならオレがもらうぞ!」
「うまうまうまうま♡」
本当に賑やかな食卓でした。そんな様子をミコナも嬉しそうに見ながら食べます。
そうして朝食を終えて、学校に行く用意をして、
「いってきます♡」
やっぱり笑顔で家を出て、それをフカが追います。ミコナを学校まで送り届けるのは、今でもフカの役目ということなんですね。ただ、屋根に陣取っての見張りはもうやめたみたいですけど。
すると、
「おはよう!」
「おはようございます」
カリナがバイクに乗って出勤してきて、ミコナが挨拶を交わしたのでした。