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全失皇女の亡命譚  作者: しらさわ
第1部 全失皇女の亡命譚
1/48

シビれる晩餐

 雨の秋葉原では、ものものしい装備の機動部隊が、異世界からの来訪者を取り囲んでいた。

 いつもは人でごった返すこの駅前広場も、今は不気味なほどに人影がない。

 機動部隊の包囲の中心では、二人の少女が崩れ落ちるように座り込んでいる。


 一人は、純白のドレスを身にまとい、腰まで流れる桃色の髪を雨に濡らす少女。

 絵画から出てきたような端正な顔立ちをしているが、いま彼女の目は虚ろで、何やらうわ言を繰り返している。


 彼女をかばうように寄り添うのは、青髪の短髪が印象的な少女。

 白いブレザーとスラックスに身を包む彼女は、鋭い眼差しで機動部隊を睨みつけている。


 この二人の背後には、白く発光する魔法陣が輝いていた。

 二人は、今しがたこの発光する出口から身を現したばかりだった。


 機動部隊の中をかきわけて、黒いショートカットにスーツ姿の若い女性が出てきた。

 彼女の手には拳銃が握られ、二人に向けられている。


「内閣府幻獣対策本部、機動課課長の黒崎梓です。本部長代理にご面会願います」


 あくまで冷静な声で告げる彼女を、青髪の少女はきつく睨みつけた。





 どうしてこうなったのかーー。

 日付を遡ることしばらくーー。


 ウドバシカメラ秋葉原店の販売員、田辺は、洋風の書斎でキョロキョロと周囲を見渡していた。

 落ち着いた木目調の書棚が壁一面を覆い、重厚な机や、ふかふかの革張りの椅子が並ぶ。

 そこは中世の西洋を感じさせるアンティークな空間だった。

 その中で、ワイシャツに販売員印の赤いジャケットの彼の姿は異様に浮いていた。


「こんな販売フロアはなかったはず……。大幅リニューアルして家具コーナーでも新設したのか……」


 田辺はさっきまで、設定を誤って暴走し始めた展示用の掃除ロボットを追いかけていたはずだった。

 店内を走り回っていたはずが、気づいたらこの洋風の書斎に迷い込んでいた。


 突然、後ろで扉がバタンと音を立てて開く。

 田辺が振り返ると、そこには腰まで届く桃色の髪を持った少女が立っていた。

 彼女は純白のドレスに身を包み、戸惑ったように扉を開け放ったまま、田辺を見つめていた。


 お互い硬直すること数秒。

 彼女の足元に、丸くて平たい掃除ロボットがゆっくりと近づいていった。

 少女はきょとんとした顔でロボットを見下ろす。


「これは幻獣……? 図鑑でも見たことがありませんね……」


 彼女の言語は、田辺には理解できない。

 だが、外国人観光客で溢れている秋葉原ではそれは珍しいことではない。

 掃除ロボットは、少女の足元をスーッと通り抜けて扉を出ると、廊下を猛スピードで走り始めた。

 困惑の極地にいた田辺だったが、当初の目的を思い出す。


「そ、そうだ! 今は掃除ロボットを捕まえなければ!」


 田辺は焦りながら、彼女の脇をすり抜けて、掃除ロボットを追いかけ始めた。

 少女は呆気にとられていたが、すぐに田辺の後を追い始めた。


「お待ちください! こんなところをお父様に見られでもしたら、今後の実験に差し障りが!」


 少女の声が背後から聞こえるが、田辺には相変わらず意味不明だ。

 今はただ、暴走する掃除ロボットを捕まえることだけだ。

 無我夢中で廊下を駆け抜ける最中、田辺は怪訝な顔をしたメイドたちと次々にすれ違った。


「秋葉原なら、メイドが当店の家具コーナーに来ても不思議じゃないか……? まあいい、今はあれだ!」


 田辺が廊下の十字路に差し掛かった時、目の前に突然、金髪の少女が現れた。

 彼女は真紅のスカートを揺らしながら、鋭い眼差しで田辺を睨みつけた。


「曲者ですわ!」


 叫びとともに彼女の右手の指輪が青白く光ったかと思うと、何か白い塊が田辺の頭に向かって飛んできた。

 ガツン、と頭に強烈な衝撃が走る。

 それは痛みだけでなく、猛烈な冷たさを伴っていた。

 衝撃で田辺はその場に倒れ込む。

 視界がぼやけていく中で、氷の塊とその破片が床に散らばっているのが目に入った。


 意識が朦朧とする中、少女たちの会話が聞こえてくる。

 田辺には何を言っているのかわからないが、桃色髪の少女と金髪の少女の声だということだけが辛うじて分かる。


「ハァ……ハァ……! ワレーシャ! 止めてくださってありがとうございます!」

「フィーコ、あなた、今度はいったい何の実験ですの?」

「うっかり魔法陣を発動しっぱなしで席を外したら、この方と黒い丸い幻獣が召喚されてしまったようで……」


 田辺の耳に、掃除ロボットがウィンウィンと床を周回している音が微かに聞こえてきた。


「幻獣はともかく、幻獣使いが召喚されることなんてありますの?」

「いえ、そんな記録は……。あ、そもそもこの方、召喚の指輪をつけてないですね。幻獣使いではありません」

「では一体これは何……? この赤い上着も珍妙ですし、変質者ですの?」

「書斎に鍵はかけてましたし、魔法陣から現れたのは確かなので送り返しましょう。もしもし、大丈夫ですか!」


 桃色の髪の少女が田辺の横に屈み込み、何かを語りかけている。

 田辺はその声を感じながらも、体が動かない。


「うーん、気絶してますね。念のため、こちらに来てからの記憶だけは消去して、送り返しましょう」


 少女は田辺の額に手を当てた。

 彼女の右手薬指の指輪が青色に輝き始める。

 彼女の手が温かく感じられたかと思うと、急に頭が締め付けられる感覚に襲われ、次第に意識が混濁していく。


 ウドバシカメラ秋葉原店の販売員、田辺の異世界転移物語は、ここで幕を閉じた。





 城内を走り抜けた「赤服の怪人」と「漆黒円盤の幻獣」の事件は、噂好きのメイドの間で瞬く間に広まった。

 彼らと逃走劇を繰り広げた桃色髪の少女ーー皇女フィーコーーが父と晩餐をする時刻には、もはや城内で知らぬ者はいない状態であった。


 皇女フィーコの最近の悩みは、父との晩餐の最中にたびたび手が痺れることだった。


「痛!」


 フィーコは、銀のフォークを握る手に電流が走った拍子に、フォークをポテトごと床に落としてしまった。

 フィーコは向かい合って座る父に非難めいた視線を送る。


「お父様、食事中に雷を飛ばすのはちょっと……。食器が避雷針になっております」

「いかんな、この歳になるとカリカリしてたまらんわい」


 皇帝ガルドは、恰幅のよい体を揺らすと、豊かな白髪をボリボリとかいた。

 頭部の周りを、微弱な電流がパリパリと渦巻いている。


「だがのうフィーコ、わしにも怒る道理があろう。再三の忠告にも関わらず、またもや危険な実験を繰り返していると聞いては……」

「魔法庁に入庁するには研究実績が必要です。ある程度まとまった論文が書けるまでは実験はやめられません」

「まだそんな妄想を抱いておるのか。我がヴァルハラント帝国の皇位継承者たるお前が、魔法庁の役人になりたいなどと」

「役人ではなく学者です。魔法庁は研究機関ですから」

「同じことだ。責任ある皇族のなすべきことではない」

「そんなことはありません!」


 フィーコが食卓に身を乗り出す。

 桃色の腰まで届く髪がかすかに揺れる。


「帝国の歴史は魔法庁とともにあると言っても過言ではありません。古くは帝国暦二十四年、第二代皇帝の……」

「あーあー、またぞろフィーコの歴史講釈が始まってしまった! 料理が全部冷めてしまうぞ!」


 ガルドが耳をふさぐふりをすると、フィーコはむっとした表情を見せる。


「過去の話はお気に召しませんか? では未来の話をしましょう。もし私が魔法庁に入ったら、複数の幻獣と同時に契約する方法を編み出したいと思っています」

「してお前は、例の赤服の怪人とやらを二体目の幻獣に選んだわけか?」

「違います! 実験に失敗はつきものなんです! ……話を戻します」


 フィーコはコホンと咳払いをする。


「いま、お父様は雷の幻獣ユピテルと契約されていますね。もしそれに加え、例えば風の幻獣ガルーダとも契約できたとしたら、いかがでしょう」

「むう……戦場では敵なしであろうな」

「そうでしょう。もし幻獣は一人一体という束縛から解放されれば、軍人も職人も研究者も、できることが飛躍的に増します。国力はますます盤石となるに違いありません」


 フィーコの説明を聞き、ガルドは考え込む。


「それは良いな」

「そ、そうでしょう!? ですから私を魔法庁に……」

「それはならん!」

「痛ぁ!」


 ガルドの電撃がフィーコの二本目のフォークに直撃し、フォークがまた床に転がる。

 ガルドが頭をかきむしる。


「すまん、またやってしまったわい」

「もう慣れました……それより、良いと仰ったり駄目と仰ったり、どちらなのですか」

「一人複数の幻獣という案は良い。だが、お前は次期皇帝だ。研究テーマがあるなら、ただ学者連中に命ずれば良い。お前自身が研究する必要がどこにある。それは真に帝国のためか。お前のエゴではないのか」


 ガルドににべもなく言われ、フィーコは顔を曇らせて項垂れる。

 そして、ゆっくりと立ち上がった。


「たいへん美味しゅうございました」

「全然食っておらんではないか」

「フォークが握れなくては食事はできませんゆえ」


 静かに立ち去るフィーコに、ガルドは巨大なステーキを頬張りながら声をかけた。


「お前ももう十七だ。物事の道理をゆめゆめ弁えよ」





 フィーコは、空腹のぐうぐう音を誰にも聞かれないように、周囲を最大限警戒しつつ自分の書斎に戻った。

 書斎というよりは小さな図書館とも形容できる大量の本棚に囲まれた部屋だ。


 フィーコが入室するや、ウィンウィンという音とともに「漆黒円盤の幻獣」こと掃除ロボットが、フィーコの足元にやってきた。

 いささか緊張していた彼女の顔が僅かに綻ぶ。


「キキモラ、ただいま」


 勝手に名前をつけられた掃除ロボットは、好きに部屋中を動き回る。


 再度思い詰めた表情になった彼女は、本棚の一つの前に立つ。

 分厚い本と本の隙間に手を差し入れると、ガサゴソと袋を取り出す。

 彼女は椅子に腰掛けると、袋から無造作にクッキーを三枚同時に取り出し、バリバリと貪る。

 もう三枚、次は四枚……。

 頬張るペースが次々に増していく。


「お父様はいつも話を最後まで聞いてくださらない! せめて娘と歓談する時くらいは召喚の指輪を外して欲しいものです!」

「その様子だと、また感電したんですのね」

「ごぶぅ!?」


 突然フィーコの傍らから声がして、フィーコは驚きむせる。

 振り向けば、机の横に、鮮やかな長い金髪の少女がしたり顔で立っていた。

 姫カットにロングヘアのその少女は、金色の刺繍の施された黒いドレスシャツと真紅のミニスカートをまとっていた。

 先程、「赤服の怪人」を討伐した少女だ。


「ワレーシャ、いつの間に入って……。鍵はかけましたよ」

「あら、合鍵ならわたくしも持ってましてよ?」


 ワレーシャと呼ばれた少女は、氷でできた鍵を手にかざして得意げに見せびらかす。

 フィーコが頬を膨らます。


「ジャックフロストでピッキングするのはやめてくださいと言ってるではないですか! うぅ恥ずかしい……」


 フィーコは菓子袋をいそいそと机の引き出しにしまう。

 ワレーシャは壁に寄りかかって腕を組む。


「甘い物のやけ食いなんて今に始まった話じゃありませんでしょう? あなたは本家の長女、私は分家の長女、姉妹も同然。今更知られて困ることなどありますの?」

「そういう問題じゃありません……」

「それよりもフィーコ、喜びなさい。複数召喚の手がかりになりそうな遺物を見つけましたわよ」


 ワレーシャは肩がけのバッグをガサゴソと漁ると、分厚い古書をフィーコに突き出す。

 瞬間、フィーコの顔がパッと明るくなる。

 フィーコが手に取った本の題名には「魔法、幻獣、科学の世界の相互作用について」とある。


「魔女の王国の魔導書! しかも著者は……セヴィリア一世!」

「有名な方ですの?」

「魔女と呼ばれたウェリッサ王国の歴代女王の中でも、特に魔術研究に秀でたと伝わる八十年前の女王ですよ! 五年前の我が国との戦争で城は跡形もなくなったと聞きましたが、よく見つけましたね」

「廃城の瓦礫の下に地下室の入口が。あのあたりは何度も討伐任務に赴きましたが、発掘のしがいがありますわ」


 フィーコは待ち切れない様子で本の表紙を開く。


「ワレーシャ! 二ページ目を見てください! 『この書をイングランドで待つ師アレスタ・クロウリーに捧ぐ』……。『アレスタ・クロウリー』なんて奇妙な名前は、私はこの大陸で一度も聞いたことがありません! 『イングランド』というのも地名でしょうか!? ワレーシャはご存知ですか!?」

「落ち着きなさい。帝国一の秀才が知らないことを、私が知るはずもないでしょう?」

「期待が止まりませんね! では早速……」


 フィーコが右手を中空にかざすと、薬指の指輪が青白く光る。

 フィーコの傍に、白く毛むくじゃらの四つ足の幻獣ーーハクタクーーが姿を現す。

 フィーコは魔導書を手に取ると、猛烈なスピードでページを捲り始める。

 それはおよそ「読む」と言うよりも、ただ「見る」だけの行為に見える。


「その記憶を司る能力、いつ見ても本当に羨ましいですわね……」


 ワレーシャの羨望とも呆れともとれる呟きもよそに、フィーコは一心不乱にページを捲り続ける。

 一分も立たぬうちに、フィーコはパタンと古書を閉じた。

 同時に、ハクタクも姿を消す。


「腰を落ち着けてじっくり読めました。これは……途轍もない発見ですよ。キキモラと『赤服の怪人』がなぜ城内に現れたのか、謎が解けたかもしれません」

「キキモラ……? 『漆黒円盤の幻獣』のことですの?」

「はい、一生懸命掃除してくれるので、せっせと家事をしてくれる幻獣キキーモラからとりました」


 二人が視線を床に落とすと、キキモラはフィーコが食べ散らかしたクッキーのカスを掃除している。


「どうやら、私が召喚の実験をやりすぎて、パスが幻獣の世界を経由して科学の世界まで貫通してしまったようです」

「パスって、この世界と幻獣の世界をつなげる魔力の通り道のことですわよね? 科学の世界とは何ですの?」

「幻獣の世界と隣り合わせになっている世界は、私達の世界だけではないようなのです。科学の世界では、幻獣ではなく機械によって文明が運営されていると記載があります」

「機械って……ぜんまい人形とかオルゴールとかの類のことですの? あんなおもちゃで高度な文明が築けるとは思えませんわ」

「しかしキキモラはきっと機械ですよ。彼女は幻獣ではありません。魔力の痕跡がどこにもないのです。ああ、こうしてはいられません!」


 フィーコは急遽立ち上がると、本棚の横から大きな模造紙を取り出し、それを床の上に広げる。

 そして、万年筆で丁寧に魔法陣を描き始める。


「フィーコ、一体何を始めて……」


 魔法陣の描画に集中しているフィーコは、ワレーシャの問いに一切反応せず黙々と作業を続けている。

 ワレーシャは眉をしかめる。


「無視なさらないで!!」

「ひやあ!」


 フィーコは急にうなじに冷たい感触を受け、思わず飛び上がった。

 ワレーシャが、フィーコの首筋に氷を当てていたのだった。


「ワレーシャ、それはやめてください! 冷凍火傷をしたら跡が残ってしまいます!」

「こうでもしないとあなたの注意を引けませんわ」

「私に能力を向けるのはお父様だけで十分です……」

「それで、何を始めたのです。ちゃんと説明なさい」

「セヴィリア一世の魔導書は理論編はあっても実践編が未完です。その部分を私の召喚の実験記録で補って、一つの魔法陣に表現しました。これで、科学の世界へのパスが開くはずなんです」

「え、あなた、行くつもりですの? 『赤服の怪人』の闊歩するわけのわからぬ世界に」

「え、ワレーシャは一目見てみたくないんですか? キキモラのような可愛らしい機械に囲まれた世界を」


 フィーコが澄んだ瞳でワレーシャを見つめる。

 ワレーシャは苦笑する。


「こうなったら聞かないものですのね、あなたは。陛下も扱いに困るわけですわ」

「確かに、お父様に知られるとまた夕食を抜く羽目になるかも……。やっぱりやめたほうがよいでしょうか」


 フィーコが急にシュンとすると、ワレーシャはフィーコの横で腰を屈め、その両手を取る。

 ワレーシャの目はらんらんと光っている。


「もしですわよ? もしこれで世紀の大発見の実績さえ作ってさえしまえば、陛下もフィーコの魔法庁入庁を認めざるを得なくなるに違いありませんわ。あなたは魔法庁で出世していずれは長官になり、皇帝になったわたくしを支えてくださいまし!」

「果たしてそううまくいくでしょうか……」

「行動もせずお菓子ばかり食べていたら、体も未練も肥え太るだけですわ! フィーコ、最後は執念ですわよ」

「は、はい」


 ワレーシャが力説すると、フィーコは気圧されたように頷いた。


 作業を再開したフィーコをワレーシャが見守っていると、あっという間に立派な魔法陣が完成した。

 フィーコはそこに手を置くと、目を閉じて詠唱を始める。


「Ħλᾰїш αļ-đārkāmь, ψωזפ ŋŭaйí тŏ кяагñή. Δтüлǽи ……」


 難解な古代語を数十秒唱えると、魔法陣が白く発光しだす。

 そして、二人の眼の前の中空に、人の大きさ程度の白色の魔法陣が出現する。


「こうしてワレーシャと冒険するのも久しぶりですね。九歳の時に、二人で城下町の外に出てお父様に酷く怒られたのを思い出します。あの時はワレーシャが怒り泣き叫んで……」

「そんな昔の話なんて、思い出せませんわよ! 思い出はこの先で作ればよろしいですわ」

「そうですね。でもその前に腹ごしらえをさせてください」


 フィーコは先ほどしまった菓子袋を取り出すと、またもクッキーを口に詰め込み始める。

 あっという間に頬がパンパンになる。


「われーひゃもめひあがりまふか?」

「あなた、早死にしますわよ……」




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