末広がり
世の中すっかり町から人が消え、オトシャンとオカシャンが呑みに行くこともなくなり、桜の季節だというのに今年はオカシャンとのお花見もありません。
それなのに・・・なぜ・・・毎月の病院は行くのだ・・・。
すーちゃんと二人きりの時間も減って、変化が嫌いな僕は大好きなはずのオトシャンが毎日出かけないことにストレスを感じていました。
すーちゃんもどうやら昼間はほっといてほしいタイプだからこの変化にはストレスを感じているのか、僕への八つ当たりが酷いです。
オカシャンは相変わらずお仕事にほぼ毎日出かけて行きます。
触れ合う人たちが全く来なくてもオカシャンのお仕事は休むことが出来ません。
そういう変化の中、オトシャンとオカシャンが二人で出かけることが幾度かありました。
出かけてもすぐ帰ってくるのですが、その頃のオカシャンは嬉々として楽しいことをしているようでした。
主にスマホを触ったり誰かと話をしたり、オトシャンと確認を取ったりしながら何かを進めていました。
オカシャンは未来を予測して動くことがとても好きで、その未来は確実にくるのを分かっていて、更にオカシャンは簡単にはバレない嘘の達人です。
日常の嘘はめんどくさがりなので基本的に使わないオカシャンですが、嬉々として何かを企んでいる時のオカシャンの嘘はだれも見破れません。
皆様の中でも気づいた方はいたのでしょう?
ほんの1か月だけ何かが下がった時期が来たことを。
そして、その翌月からは跳ね上がるように起きたあるモノの値上げ。
オカシャンはその値下げ交渉を嬉々として行っていたのでした。
オトシャンはというとサッパリわからないのでオカシャンに丸投げって感じですね。
僕としてはオトシャンとオカシャンが二人仲良くしている姿をみるのは楽しいです。
平和だな・・・。
と思えば大慌てするのがオカシャンのいつものこと。
そして、オカシャンのお楽しみタイムは本人が満足するところで燃え尽き症候群を迎えのでした。
そこからは沢山の人がきては、見覚えのある箱が沢山来ました。
僕が最初に遺憾の意を表明した箱ですね。
時間をかけてゆっくりとおうちのなかの景色が変わっていく。
変わっていくというよりも戻っていく。
これは。
もしかして僕はタイムトラベルしているのでしょうか?いや、でもすーちゃんはいます。
この箱があった日にすーちゃんは居ませんでした。
次々と景色がオトシャンとオカシャンに出会った日に近づいていく。
ここは未来?それとも過去?
そして、燃え尽き症候群なオカシャンがラストスパートをかけるように箱をどんどん組み立てています。
季節は真夏になっていました。
僕は一足早く、あの大きな敵に毎年恒例の拷問を受けていたのです。
なんであんたのとこも、病院も休まないんだよ!
3回目にもなると慣れたもんで、すべての弾丸がなくなっても液体まで出せるようになりました。
だからと言って勝てるかどうかはまた別の話。3連敗でした。
今年もすーちゃんはこの敵に会うことはないという理不尽さ。
なぜ僕だけが・・・まぁ、終われば快適ではあるのですが。
それが終わったら、病院での健康診断です。
今年も僕もすーちゃんも健康そのもの。
だけど毎日一緒に居るから気づかなかったのですが、すーちゃんデカくなってませんか?
最初すごく小さな黒きレディだったすーちゃん。
夏場の僕よりデカくない?
僕あんまり大きさ変わっていませんが、すーちゃん来た時より明らかに育ったよね?
僕もオトシャンとオカシャンに出会ったときよりは確かに少し大きくなったけど、太ったというよりも、すーちゃん背が伸びてるよね?
病院の先生はいつでもオカシャンに「成長期ですね~」としか言わないので僕らはずっと成長期だそうです。
まぁ、大きく育って健康そのもの、うんうん。いいじゃないか。
そして、その日はやってきました。
いつもなら夕方に行くはずの病院。
なぜかとても早くから連れていかれました。
沢山の病院仲間がいる個室に僕もすーちゃんも閉じ込められています。
ごはんや水はくれますが、先生たちは忙しそうで遊んでくれるわけではありません。
とにかく叫び、苦痛であることを伝えるも、周りの病院仲間に言われました。
「君たちも僕たちもちゃんとママパパのところに帰れるよ。」
その仲間はここに閉じ込められる経験がだいぶあるようで話してくれました。
「ママやパパが揃って長くお出かけする時は僕らはここに預けられるんだよ」
オトシャンやオカシャンが長くお出かけする時は、僕とすーちゃんはオトシャンの家族が家に来て交代で見守りやご飯の準備をしてくれたことを話すと
仲間は驚いていました「シッターさんが来るようなおうちなら今回はシッターさんの都合が悪かったのかもしれないね」
囲む会の人たちも忙しいということですか。何が起きているのでしょう。
仲間は不安がる僕に「大丈夫だよ。ここにいて迎えに来てもらえない子はいないから。」
すーちゃんは「なんか懐かしいわ・・・この雰囲気、ちょっと前にいた世話係のいる場所みたいだわ。あんたは個室に閉じ込められてた時間が長かったから不安なんでしょうけど、オトシャンとオカシャンがあんたはともかくあたしを捨てるわけないじゃない。」と
なんか癪に障ることを言われましたが、確かに何度も不安になりました。
それでも、オトシャンとオカシャンは僕を捨てたりなんかしていなかったのが分かりました。
きっとすぐにここから出られる!そしていつものあのおうちに、オトシャンとオカシャンのいるおうちに帰ることが出来るはずだ!
そう心を落ち着かせながら僕はごはんを食べました。そして先生が通り過ぎる度に文句を言いました。
「オトシャンとオカシャンはいつきますか?」
「狭いところは嫌なんで広いところにお部屋変えてください」
「特別美味しいものなどはありませんか?」
先生は「なんだよ~じゃこさみしいのか~?」と言いますが特に美味しいものはねだっても出てきませんでした。
そんなこんなで朝から夕方まで病院で過ごした僕とすーちゃんをオトシャンとオカシャンがやーっとお迎えに来ました。
心を落ち着かせてくれた仲間は「意外と早かったじゃんお迎え、僕の方はまだまだかな。よかったね。またねー。」と言ってくれました。
そして、僕とすーちゃんは車に乗っておうちに帰るはずだったのです。
それなのに、全く知らない匂いがする場所で僕とすーちゃんが見たものは!
新型コロナウイルスが働き方を変えるきっかけになりましたが、家の中に居る時間もかなり増えたのではないでしょうか?それまでは家の中なんて寝に帰るだけなんて方も多かったと思います。
家族とのコミュニケーションもグッと近づいたり、逆に気まずくてコロナ離婚なんて家族が離れ離れになることも起きていましたね。
災害時には結婚が増えたり離婚が増えますが、なんでもない日からコミュニケーションは夫婦間も親子間も大切にしていたいですね。オトシャンとオカシャンはどうなっていくのか
それによって変化が嫌いなじゃこ天とすみ美さんがどんな変化をしていくのか次回は久々に黒きレディにお話ししてもらいましょうかね。




