93.ケーキ2
えっ……この量やばくない?それに、子供みたいにオセラがニヤニヤして、こっち見てるんだけど?
「オ、オセラ?何?」
「一緒に食べよ?」
「う、うん。いただきます」
私の前にはショートケーキが三つだけ。オセラの前には何十個かの色とりどりのケーキがずらっと。
店員さんが忙しそうにさっき持ってきたそんなケーキ達を、オセラはパクパクと口に放り込む。
なんか……すごいなー
オセラを見ながら、絵里はショートケーキをゆっくりと食べ進め、1、2分で一つ食べ終わる。
大き過ぎず、小さ過ぎず、絵里にとっては丁度いいサイズの、飽きがこないシンプルな甘さのショートケーキ。
絵里は2つ目のショートケーキに手を付け、チラッとオセラを見て食べ進める。この調子だと全部食べれる。だけど……
「オセラ。チーズケーキ一口食べてもいい?私の一口あげるから」
まあ、せっかくなら全部一緒じゃなくて、一口ぐらい他の味も食べたい。
「……いいよ」
「ありがと!」
絵里がオセラの前のチーズケーキを一口食べる。そして、オセラは絵里のショートケーキを一口。
「美味し」
「……うん」
チーズケーキは甘さ控えめ。チーズの味はほんの少しだけで、さっぱりとしている。重くなく、とても食べやすい。
「ねぇねぇ、オセラの一番好きなケーキは何?」
「ケーキなら、全部好き」
オセラは少し笑みを浮かべながら、絵里が急に飛ばした質問に答える。
そして……
「絵里は?」
少し首を傾げて、絵里に問い返す。
絵里はそんなオセラに笑みを返して、
「私は、ショートケーキが一番好き。理由は……分からないけど」
「そう……か。それなら私もショートケーキが1番好き」
「……?どうして?さっきは……」
「秘密」
オセラはケーキに向き直ると、また食べ始める。
絵里は少し考えて、結局どうしてか分からなかったので、絵里もショートケーキを食べ始める。
それから、絵里はショートケーキを全部食べ終わり、オセラを見る。
オセラの前に残っているケーキは、食べているのを含めて二個。そして今、食べ終わったので、残っているケーキは一個になった。
絵里は最後に残ったショートケーキをスプーンで一口取り……
「絵里?」
オセラの驚きが混じった声を聞きながら、口の前まで運ぶ。
「食べてもいい?」
「絵里が……食べたかったら」
絵里の問いに、少しだけ悲しそうに答えたオセラ。そんなオセラに、
「なら、あーん」
「えっ?」
「ほらほら、早く」
「あ……あーん」
口を開けようとしなかったオセラを急かし、口を開けたと同時に絵里は、オセラの口の中にショートケーキを入れた。
「美味し?」
「おい……しい」
「ほんとに?それなら……」
頬を赤らめながら、ぽしょりと返事をするオセラを見ながら、絵里はまたオセラのショートケーキを一口、スプーンで取った。
今週はあと1話投稿できるはずです。
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