表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

81/201

81.怒りと殺気とデート

 目を見開くエナと、表情を少し曇らせたネヒィア。そんな2人に絵里は、


「それで、何か用?」


 ころっと話を変えて首を傾げる。


 そんな絵里に対して2人は少しだけ間を置いた後、不思議そうに絵里とハクを見て、エナは微笑み、ネヒィアはジト目になる。


「良かったわね、ハク。もう知らないわよ?」


「主様。デートの直前に浮気は良くない」


 エナとネヒィアはいつも通り、何気もなく言葉を発する。


 それが気に食わない、昨日虐められたことを根に持っている絵里は、昨日と同じメイド服を着ているハクを脱がし出す。


「お、お主、やめろ」


 力ない言葉と力ない抵抗をするハクを無視して、ハクを下着だけにする。布団をめくって全身を見せ、絵里はハクの下着に手をかける。


「白い下着を着てるのかと思ったけど、水色なんだ。ねぇ、下と上どっちを先に脱がして欲しい?」


「も、もうやめろ。お主、今日はネヒィアとデートなんじゃろ?」


「えーと、そうだっけ?」


 ぐっとその一言で部屋の空気が重くなる。絵里は心の中で怒れるんだー、なんて思いながらハクのブラを脱がす。


 まだネヒィアは言葉を口にしない。もう少し惚ければきっと、先にエナが言葉を口にして仲裁に入るだろう。


 ネヒィアは絵里に怒らない。エナもハクも絵里自身も分かっている事実。


 だからこそ、絵里はヘラヘラと笑いながらハクとだけ会話を続ける。


「ほら、足曲げて。パンツが脱がせられないじゃん。逃げようとしないで」


「我は嫌じゃ。こんな事には巻き込まれたくないのじゃ。離せ!」


「嫌だ。離さない」


「ネヒィアは、悪かった。許してくれ。全部我が悪いんじゃ」


 絵里の力に勝てないと思ったハクが、絵里にパンツを脱がされそうになりながら謝る。まるで浮気がばれた時のように……


 けれど、ネヒィアは無反応でただ絵里を見つめる。


 それに気付かぬ振りをして、絵里はハクを思いっきり抱きしめてパンツを脱がすと足を絡めて、手を繋ぐ。


「ハクー、今日はどうする?」


「ネヒィアとデートじゃろ?早く支度を……」


「えー、ハクと一緒がいい。ダメ?」


「ダメダメダメじゃ!お主少しはネヒィアの気持ちを考えろ!」


 マジでハクに怒られた絵里。ずっと逃げるように、意味の無い言葉を言うと思ってたのに少し予想外。


 絵里は少し驚きながらも、次はエナに怒られる……言ったら後悔する言葉を口から絞り出す。


「でも、デートって疲れるじゃん?」


 デートに行ったこともないくせにそんな事をほざく絵里は、物の見事にエナに一瞬殺気を向けられ、部屋の空気が異常な程に重く冷たくなり鳥肌が立つ。


「絵里ちゃん。言い過ぎよ」


 ネヒィアが深い息をする中、エナは絵里に怒る。


 そんなエナの怒りに、ハクは震えながら動きを止めて、絵里の手をぎゅっと握る。


 そんなハクの中々空気を読まない行動で、絵里は体の震えを抑え、ハクに抱きついているからこそ動く口を使って、言葉を言う。


「やだ。ネヒィアとなんてやだ。つまんない」


 プツンと幻聴なのかどうなのか、糸が切れる音が重く冷たい部屋に響いて……


 絵里は怖すぎて気を失わないようにハクに思いっ切り抱きつくと、聞こえて来るであろう声に構えた。

面白い、続きが読みたい、そう思った方ぜひブックマークそれと、

☆☆☆☆☆

↓↓↓

★★★★★

広告下の星を押してポイントを!ついでにいいね!と思ったらいいね!ボタンをポチッと!

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ