77.大成功!
ベットに手を付き少し体を起こした、月明かりに照らされた1人の少女は、薄らと目を青色に光らせて、小さな欠伸を1つ。
可愛い口を大きく開けて息を吸い、吐き出す。
それからゆっくりと体を起こし始め、上に乗っていた掛け布団が、体を起こすにつれて落ちていき、綺麗な肌が露わになる。
それはまるで、とても丁寧に作られた人形のようで……目を擦り、眠そうな宝石の瞳はなんの迷いもなく、絵里を捕まえる。
何故か動く事が躊躇われるそんな視線。その視線から逃げるように、絵里は外を見る。
だが、その時ちょうど月が雲に隠れてしまい、暗闇が凄い速度であらゆるものを襲う。
どうする事も出来ない絵里は、そのまま外を眺め続け……
「主様。好きだよ」
そんな不意のネヒィアの一言で、目を見開きながら振り返った。
「きゅ、急にどうしたの?」
「いや、なんか……怒ってる気がして……だから」
ネヒィアらしくないしどろもどろな理由。さっきまで絵里を捕まえていた視線は彷徨い、足を動かし身を縮める。
ベットについていた手はぎゅっと力が入り、しわが寄る。
今までで見たことの無いネヒィアの姿。
「怒ってなんかないよ?怒る理由なんかないもん」
エナならもっと気の利いた言葉をかけるだろう。ハクなら優しく笑い飛ばすだろう。
その二つともが出来ない絵里もまた、ネヒィアと同じく視線を彷徨わせる。
それからしばし、無言の時間が続く。
ネヒィアの考えている事が全く分からない絵里は、思いついた言葉を言おうとして、やめる。そんな事を繰り返し、ネヒィアは下を向いて微動だにしない。
何度目か絵里が口を開こうした時、今度は月明かりが暗闇を襲い、辺りが少し明るくなる。
月明かりが絵里を、ネヒィアを、静まりかえった部屋を照らし、目の前に映る景色を綺麗にする。
「……ネヒィア。私、なんかした?」
絵里の言葉に首を横に震るネヒィアだが、どうにも力が入っていない。
絵里は一歩二歩と、ゆっくりとネヒィアに近付き、目の前で止まる。
「私がネヒィアに、何か嫌な事したなら謝る。ごめ……」
「違う」
絵里の言葉を遮ったネヒィアはそのまま
「主様のおっぱいとか、身長とか小さくしちゃったし……変にマーラと戦ったりして……」
「えーと、ネヒィア?」
「主様はいやじゃないの?」
ネヒィアの唐突な質問に、絵里はどう答えようかと悩む。
何言ってもダメな気もする。でも、黙っていてもダメな気がする。要は、何してもダメ。
ネヒィアが急にこんな事を言って……頭があんまり状況を理解していない。
それでも絵里は思った事を精一杯言葉にする。
「ネヒィアとかエナとかハクとか、好きな人が近くにいれば、だいたいの事は許せる。だから全然嫌じゃない。と言うか逆で、楽しいよ。色んな事があっても近くにずっと好きな人がいてくれるから」
絵里は長い言葉を言い終わると、にこっり笑ってネヒィアの頭を撫でた。
すると、ネヒィアは気持ち良さそうな顔をして笑顔になる。
そんな笑顔に少し安心して、肩の力が抜ける。
「ネヒィア、もう大丈夫?」
「うん。主様のおかげで元気になった。ありがと」
「どういたしまして」
「ねぇ、主様。これ、ドッキリって言ったら、本当に怒る?」
ネヒィアがいつもの様に可愛く首を傾げて、薄らと笑みを浮かべる。
絵里の瞳を覗き、唖然とした絵里の顔を面白そうに見つめる。
「う、うん。怒るよ。ドッキリなら……」
「主様。これ、ドッキリ」
ネヒィアが笑いを堪えながらそう言った途端、ドアが勢いよく開き、エナとハクが相変わらずのメイド服で姿を表した。
「絵里ちゃん、好きよ」
「きゅ、急にどうしたんじゃ?笑」
絵里は顔を真っ赤にして、蹲る。
「主様。大丈夫?」
そして、ネヒィアに頭を撫でられながら、
「後で覚えとけよ……うぅ」
目に涙を溜めて、ネヒィア達を睨みつけた。
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