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66.胸

 

「うるさい!黙って……」


 マーラに小馬鹿にされ怒った絵里は、怒りそのままにマーラへ言葉をぶつけるが、途中自分の胸が視界に入って思わず、


「……えっ」


 そんな間の抜けた声が自然に飛び出した。


 私の胸が……本当に小さくなって……BよりのAが……AAよりのギリAになってる……


「え、絵里ちゃん?」


 絵里の泣きそうな顔を覗き込み、マーラは戸惑いと驚きの声をあげる。


 絵里なら、もうちょっと軽く受け流すと思っていたマーラだったが、絵里の今の顔を見ると、


「あ、謝るニャー。な、なんでもするから、許して欲しいニャ。ダメかニャ?」


 流石にもう謝るしか出来ない。


 そんなマーラの言葉が一応は耳に届いている絵里だが、言葉を発することなく、ただ自分の胸を見つめ……


 もうこれ、おっぱいじゃなくて胸だ。膨らみって、なに?


 で、それで、まだ小さくなるんだよね?これが。どうやって?


 絵里の悲しい思考は止まらず、どんどん変な方向に行く。頭が下がり、表情が消えて、動かない。絵里らしくもない姿。


 けれど、唐突に絵里の思考は断ち切られ、驚きの表情が顔に浮かぶ。


「絵里ちゃんは可愛いニャー。だから大丈夫ニャ」


 一瞬何が起こったのか、どうして視界が暗くなったのか分からなかった絵里だが、マーラのその言葉と感触に、今自分はマーラに抱きしめられて、頭を撫でられていると察する。


「どんな絵里ちゃんでも、好きになるニャー。だから、気にする事はないニャ!それと早くお風呂に入るニャー」


 マーラの優しい慰めに、少し明るくなった絵里は


「なら、入ろっか。えいっ!」


 自分とおそろいのワンピースをマーラから脱がして、


「なんでもするって、言ったよね?」


 絵里は意地の悪い声でマーラの耳元をくすぐる。マーラは少し体を震わして、


「い、言ったには言ったニャ……けど……」


「うん!分かってるなら大丈夫。まずは入ろっか」


 マーラの言葉を聞いて絵里は機嫌を取り戻すと、マーラの手を引いてガラス扉に手をかけ、開ける。


 その瞬間、沢山の湯気が雲のように絵里とマーラを包み込み、やがて晴れる。


 晴れたその先は、


「わー、温泉が沢山。それに広い!」


 4つ……5つの湯船がそれぞれに優しい湯気をあげて、温泉独特の音と匂いが部屋を包む。


 絵里は楽しそうに笑いながらマーラの手を引いて、


「ほら、一緒に入るよ!」


 1番近くにあった湯船に、ダイブした。


 そして、絵里とマーラの2人は仲良く湯船に浸かって……


「ねぇ、何かして欲しい事、ある?」


 絵里がニヤニヤしながらマーラを抱き寄せて、自分の顔とマーラ顔が重なる寸前まで距離を縮め、そして、


「ほーら、何か言ってよ、マーラ」


 絵里は右手をマーラの頬に置き、舌なめずりを笑みを浮かべながらした。

はい、復活です。テスト終わりましたー悪い意味で!


ということで、ごめんなさい。お待たせしてしまって……本当に


けれど、もう夏休み!投稿バンバンしていきます!


面白い、続きが読みたい、そう思った方ぜひブックマークそれと、

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