62.心配
「それはなしニャ」
少し食い気味に、ネヒィアのお願いを否定するマーラ。
まあ、そんな事初めから分かっていたネヒィアは、特にそれ以上言わない。
そして……
「と、とりあえず保留でいいかしら?」
ちょっとだけ戸惑いながらも、問題を先延ばしにする事にしたエナ。
絵里にとっては、結構どうでもいい話題なので、静かに皆が話す会話を聞く。
行く、行かない、なんて別にどっちでもいいし、興味もない。
というか、ハクは帰って来ないの?
そう思い、絵里が部屋の扉に視線をやったと同時に、
「分かったニャー。また、明日にでも答えを聞くニャー」
マーラが気にもせずにそう言う。次いで、赤い魔法陣が静かに消える。
絵里は視線を戻して、テーブルの上にある料理に手を付ける。
話し合いも一旦終わったみたいで、特にやる事もなければ、ご飯を食べよっと。
絵里は料理をちょっと取っては、口に入れる。
綺麗なお皿に盛られた、美味しそうな料理は見た目通りの美味しさで、どんどん口に入れていく。
そんな姿を見て、ネヒィアが少し首をかしげて
「そう言えば、主様は好き嫌いないの?」
「えっ?あー、ないよ。だいたいなんでもいける」
口をもごもごさせながらも、ギリギリ聞き取れ言葉を発した絵里は、とりあえず口の中の食べ物を飲み込んで、
「ネヒィアはある?」
せっかくなので、そう聞いた。それにネヒィアは
「ハクの手料理。それ以外はない」
少し視線を逸らして、そう小さく言った。
まあ、あんまり触れない方がいいかなー、と思った絵里は
「はい。あーん」
ネヒィアに料理を差し出す。ネヒィアはそれを可愛くパクッと食べて、
「ありがと、主様」
嬉しそうに笑う。
そんな嬉しそうなネヒィアを見て、絵里も笑顔を浮かべていると、
「ニャー、そう言えば絵里ちゃん。体、大丈夫かニャー?」
マーラが思い出したように、絵里に聞く。
「別に大丈夫だけど……どうしたの?マーラ」
絵里は自分の体を見てから、そう返す。
大丈夫と言えば、大丈夫。ただ、全身が軽い筋肉痛って感じ。それ以外はない。
「良かったニャー。本当、あの時はびっくりしたニャー」
マーラが絵里の言葉に安心する中、
「あっ、絵里ちゃん。言い忘れてたけど、身長大丈夫?」
「えーと、身長大丈夫って、どういうこと?」
エナが唐突に聞いてきた質問の意味が分からず問い返すと
「私とネヒィアは元々、魂がボロボロでほぼなかったのよ。それで、絵里ちゃんの魂が入ってきて少し、身長が高くなったの。でも……」
そこで言葉に詰まるエナ。だが、ネヒィアがなんの遠慮もなく
「主様は魂減ったから、身長とか諸々減った。おっぱい、大丈夫?笑」
「えっ……」
ネヒィアの言葉に固まった絵里に、さらに追い打ちをかけるように、
「体がまだ痛かったら、もう少し減るニャー。それが少し心配ニャー」
マーラがそんな事を言ってきた。
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