57.瞳の色
「ネ、ネヒィアを取ると……どうすれば取ったことになるんじゃ?」
「んー、好きって言われて抱きつかれたら?」
「そ、それは……お主が有利じゃろ」
絵里とハクがこそこそと話し合うそんな中、息を整えたエナがマーラに
「そういえば、どうして私達ってここにいるのかしら?殺そうとしてきたくせに」
「ニャー?何も聞いてないのかニャ。長い話になるから、簡単に言うニャ。殺す必要が無くなった、それだけニャー。殺そうとして、悪かったニャー」
エナが眼光鋭く睨みながらマーラに言葉を向けると、マーラは意外にも謝った。
そんなマーラに少し拍子抜けして、エナの目がフッと柔らかくなる。
そして、ため息を吐きながらネヒィアの方に視線をやって……久しぶりにネヒィアの寝顔を見た気がして、少しだけ笑みを浮かべる。
可愛く、優しげなそんな顔に、エナが魅入っていると
「お主、それはずるいぞ!好きって言われた事、我はほぼないぞ?」
「えー、それならどう勝負するの?……あっ!頭撫でられた方とか?」
「むぅ……それは別にいいが……」
「何何?どうして照れるの?」
照れるハクを面白そうに絵里がいじる。そして、絵里はニッコリと笑いながら、ハクの頭に手を触れて、
「えらい、えらい。今日も可愛いね、ハク」
「な、なな……お、お主……やめろぉ……我は……子供では……ない……」
「えっ?えっ?可愛い!ほんとに可愛い!」
興味本位でハクの頭を撫でた絵里だったが、想像以上の反応に絵里は興奮する。
「ハク。分かった!ハクはネヒィアに頭撫でられるだけで勝ち。私は好きって言われながら頭撫でられて、抱きつかれた勝ち。これでどう?」
「わぁ、分かった。じゃ、じゃから……頭撫でるの……やめてくれ……」
絵里が言った勝負の勝ち負けに、ハクは小さくコクリと頷き、それから上目遣いで、やめてと頼んで来る。
絵里はそんなハクに、子供をいじめる背徳感をゾクゾク感じながらも、可愛さが打ち勝って
「謝ったらいいよ。ほら、ごめんなさいって」
ニヤニヤと悪い笑みを浮かべながら、そんな事を言った時、
「やめるニャ。見ているこっちが恥ずかしいニャ」
マーラの声と共に、絵里の手はマーラに掴まれハクから離れてしまう。
少し残念がる絵里だが、まあ、いいかと割り切りネヒィアに視線をやって、マーラに体を預ける。
温かくて体重をどんなにかけても動かない、心地の良いマーラ。
エナやネヒィアとはまた違う、心地良さで……
「食事の準備が出来ました。マーラ様」
絵里が少しボーッとネヒィアを眺めて、ほんの数秒した時、少し低い可愛い声がした。
それにマーラは反応して
「朝ごはんニャ。色々と言いたい事があるから、皆来るニャ。ハク、あの神獣を起こすニャ」
皆に聞こえる声でそう言い、ハクにネヒィアを起こすよう言い付ける。
それと同時に絵里はマーラに連れられて、外へと連れていかれる。それに絵里は
「ちょ、待ってマーラ。服着てないから」
焦った声を出すが……
「まあ、それも後ニャー」
マーラは軽い声でそう返し、絵里連れて行く。
絵里は腕をバタバタ動かし、抵抗するがマーラは気にせず部屋の外へと歩いていく。
絵里がマーラと一緒に部屋を出て、エナ、ネヒィア、ハクと、どんどん離れてしまう。
そして、見えなくなる直前……ネヒィアがハクに起こされ、目を開いたそんな時、絵里は少し驚いて目を見開く。
ネヒィアの瞳が、綺麗な蒼色に輝いており、完全に絵里と目があったから。
それは一瞬ですぐにネヒィアではなく、壁が見え、ネヒィア達は見えなくなる。
でも……ネヒィアにずっと見られているような、そんな感覚を覚えて……
少しだけ絵里の体に震えが走った。
課題をやる。気付くと日付が変わり、日曜日が終わっている。
ここ2週間はそんな感じで……土日の投稿どうしょうかなーって最近思ってます。
まあ、もしかしたら……変わる?いやー、たぶん何とかします。
てことで、これは日曜日分。なのでまた、火、水と3話連続投稿です。
面白い、続きが読みたい、そう思った方ぜひブックマークそれと、
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