45.憤怒
「そう言えばお主。なんでここまで強いのじゃ?操ったのは腕のみであろう?たったそれだけで……」
「絵里ちゃんはね、生命なのよ?」
「はっ、何を言うておる。神よりも上の存在は、姿形が見えぬはずじゃ」
「……?神も生命も見えるけど……ネヒィアだって、厳密には神なんだから」
「全くお主は、何を言うておる。ネヒォアは今でこそ見えるが、元に戻れば見えぬぞ?」
「……いや、見えると思うけど……」
地面に降りながら、神は見えるか見えないかなんて事を言い合い、どこか意見が噛み合わないハク。
と言うか、ネヒィアが元に戻るって何?なんか、怖いんですけど……
「お主、お主はバカじゃから分からぬだろうが、見えぬものは見えぬのじゃ!」
「はぁ。話になりません。もう、地面ですから静かにして下さい」
ハクが呆れたように声を出して……絵里と一緒に地面に足を付ける。
煙は晴れ、辺りが見えるようになり、ビースト達がだいぶ弱っているのが分かる。これならやはり簡単だ。
「じゃ、絵里ちゃん。よろしくね」
ハクのその言葉を聞いて、絵里は
「『解放』」
そう魔法を唱え、地面を蹴った。
絵里は凄い速度で加速し、弱っているビースト達に近づく。そうして……絵里の手はやんわりとビーストに触れ、吹き飛ばす。
ハクも絵里も別に、このビースト達を殺す気はない。
だから、ハクが絵里の腕を操り同じ方向に、ビースト達全員を、優しく、軽く、吹き飛ばしていく。
ものの5秒程で、全員が同じ場所に集まる。そこを狙って、
「『捕縛・集』」
ハクが魔法を使い……白い縄がビースト達全員に巻き付き、身動きを取れなくした。
それを見てハクは安心したように、微笑みを浮かべながら口を開く。
「これで後は、マーラだけ。流石絵里ちゃんね」
ハクの言葉に絵里も安心して、肩の力が抜ける。だが……何か忘れてるような気がして……
「う、うん。けど、それよりも、ネヒィアとエナは?」
絵里は言葉に詰まりながらも、思った事を口にする。ネヒィアとエナは今……生きているのだろうか……何か凄く嫌な予感がして……
ハクの言葉を静かに絵里は聞いた。
「大丈夫だよ。ネヒィアとエナは治るから……」
「嘘をつくな、お主。姉様とネヒィアは、もうダメじゃ。分かっておろうに……もう、やめたらどうじゃ?」
「け、けど……」
「みっともないぞ。気持ちは分かるが……もうダメなものはダメじゃ」
「そ、そんなの嫌だ!ネヒィアもエナも助ける!やめてよ!私は、私は……」
「もう、手遅れじゃ……」
ハクは泣いて子供みたいに叫ぶが……もう1人のハクが冷静に、淡々と絵里の瞳を覗き込んで……まるで最初から全て知ってるように……
「絵里。もう時期、ネヒィアと姉様は消える。そうなれば、お主の中にあるネヒィアと姉様の記憶も同時に消える。マーラは我が何とかする。じゃから……安心して帰れるぞ……」
そこでハクは一旦息を吸って、泣きそうになりながら
「ネヒィアと姉様から最後の言葉じゃ……楽しかった。また、会おう……バイバイ…………」
ハクが絵里から視線を逸らして、涙を流す。
そんな、そんな、姿を言葉を聞いて絵里は……気付けば思いっきりハクの胸ぐらを掴んでいた。
この物語そろそろ完結。……嘘です。エイプリルフールなので……ネタです。マジ。本当。まだまだ続く。全然終わらない。
わー面白い。なんか続きが読みたい。そう思った方ぜひ、ブックマークそれと
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