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42/201

42.2人?

 顔をあげた絵里に、こちらを見て微笑んでいたハクが、手を差し伸べ口を開く。


「絵里ちゃん、泣かないで。もう大丈夫だから……1人になんか、しないから」


 ゆっくりとした優しい言葉。そんな言葉に絵里は涙を拭って、ハクの手を握り立ち上がる。


 少しフラっとしながらも、なんとか立ち上がった絵里は、ハクの顔を見る。


 さっき顔を合わせた時よりも幻想的で……この世界に来る前に夢で見た時と同じ顔のハク。


 そんなハクは、白く溶けてしまそうな手を絵里から離して……今度はネヒィアの頭に触れる。そうしてハクは、頭を撫でながら


「ネヒィアは何とかなる……いや、何とかする。だから絵里ちゃん、少しの間預けさせてもらっても、いいかな?」


 絵里の瞳を覗き込み、真剣にハクは問う。それに絵里はなんの迷うもなく、


「いいよ。大事にしてね……」


 絵里の返事を聞いて、ハクはネヒィアに両手で触れる。すると、ネヒィアは白い光に包まれて姿がスっと消える。


 絵里は安心して少し力が抜けてまた、フラっとした。けれど、ハクにお礼を言おうと口を開きかけたその時、


「ニャー。悪魔と絵里ちゃん。2人だけで勝てるかニャー?」


 これまで静かだったマーラが、唐突に口を開き笑い混じりにそんな事を言う。


 さっきからずっとこちらを見ていたが、何もしてこなかったマーラ。まるで何かを待っていたようで……


「絵里ちゃん。こっちを向いて」


 マーラに視線を向けていた絵里の耳に、ハクの声が響く。


 絵里はそれに反応して、ハクの方を向くと……ハクがいきなり抱きついて来た。


「ハ、ハク?急にどうしたの?」


「あー、絵里ちゃんはとてもいい匂いがするね。もっと、ずっとこうして……」


「んんっ♡や、やめて。ハク離れ……」


 ハクが絵里の首筋を舐め、体を押し当ててくる。そしてそのままハクは絵里の胸に顔を埋めようとして……


「や、やめろお主。さっきあったばっかりの、ネヒィアの主に手を出すな。か、勘違いされるじゃろ?」


 絵里の胸の前で、ハクの顔はピタッと止まり、急にハクは喋りだす。


 絵里は驚き、目を見開くが……


「邪魔ニャー」


「おっと」


 急にマーラが襲いかかって来たかと思うと、周りにいたビースト達も一斉に絵里とハクを襲う。


 絵里はハクに抱かれ、マーラ達から距離を取るが……目で追えないほど速く、ハクは立ち止まることなく地を駆け逃げ回る。


 だが、その最中……


「私は絵里ちゃんが好きなの。前に会ったこともあし。邪魔しないで」


「なっ、また我の知らぬところでこそこそと。勘違いされるから、何かしたら報告しろと言ったじゃろ?」


「はぁ。そんな事、聞いてません。嘘はやめてください」


「お、お主許さぬぞ?毎度毎度苦労させおって、こっちの身にもなってくれ!」


「短気は損気ですよー」


「ぐぬぬ」


 ハクは一人二役、ころころと表情変え加えて、口調、声のトーンなんかも変えて喋り続ける。


 絵里はそんなハクに若干引きながらも、とりあえずで


「ハ、ハク?誰と喋っているの?」


 少しだけ怯えながら、絵里は小声でハクの顔を見ながら言うと、ハクは


「え、絵里と言ったの。そんなに怖がるな。我は我の中にもう1人いる、頭のおかしな奴と喋っておるだけじゃ」


「はぁー?何言ってるの?馬鹿なの?頭がおかしいのはそっちでしょ?絵里ちゃんに変なこと吹き込まないでくれる?」


 お互いに怒りだし、絵里を抱き締めている腕に力が入る。


 と、そんな時。今まで喧嘩をしながらもビーストを綺麗に避けていたハクが……


「なっ」


 驚きの声をあげて、思いっ切り何かを避けた。それに絵里は、体がちぎれそうな感覚を味わいながらも、同時に恐怖を感じる。だって……


「私の絵里ちゃんに、ちょっかいを出して……いい気になってんじゃないニャー。悪魔ごときひき肉にしてやるニャー」


 絵里の瞳に一瞬だけ映ったマーラは、着ていたエプロンを脱いで、邪魔だったのか、ビーストを1、2人殴り飛ばし……絵里の顔のすぐ横をマーラの手が掠めたから……

えー、まずごめんなさい。日曜日の投稿をサボり、今日の投稿は時間を守っていない。もう、やばいネ!ということで、明日明後日も投稿します。

時間も守る……はず。いいや、絶対に。なので許して……ごめん!


面白い、続きが読みたい、そう思った方、ぜひブックマークそれと、

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