35.子育て
ネヒィアから貰ったお肉。それに、お酒が混ぜられていて……もちろんネヒィアが混ぜて、絵里を酔わしたのだ。
だが、絵里は意外にも長い時間酔うことはなく、今はエナを慰めるため、背中を撫でていた。
エナって結構メンタル弱いよね、なんて思いながらも背中から頭を撫で、そして座った体勢から膝を地面について頭を抱き、ギュッと自分の胸に押し付ける。
そんな仲の良い絵里とエナに、ネヒィアは真剣な口調で明らかに誤解を生む表現で言う。
「主様とお姉ちゃんに紹介したい……会わせたい人がいるの。その人は、私の事が大好きで……私も大好きな、大事な人なの。だから、変な事しないでね?」
いきなり聞こえたネヒィアの言葉に、絵里は一瞬固まる。だが、エナは……
「え、絵里ちゃん。ネヒィアは今、なんて言ったの?」
絵里の胸の中で、もぞもぞとしながらも、上目遣いで絵里の瞳を覗き込み、問う。
その声色は震えていて……やばい、エナを見てたらなんか泣きそう、そう絵里が思ってしまうぐらいには、本気で傷ついていた。
絵里は視線をエナから逸らして、頭の中で簡単に分かりやすくネヒィアの言葉をまとめ、小声で優しく語るように言う。
「私達に会わせたい人がいるらしい。相思相愛の大事な人、とかなんとか。で、変な事するな……的な、感じ、かな?」
半ばエナを守る事を諦めて、絵里は視線を逸らしに逸らし、何とか言い終えた。
それと同時に、エナはなんとも言えない雰囲気になり、ネヒィアは
「じゃ、紹介するね!私の愛人、ハクちゃんです!」
声は明るく元気なのにいまいち笑っていない、そんな少し下手な演技で楽しくネヒィアは、ハクの名前を呼ぶ。
その瞬間、ハクがスっとネヒィアの隣に現れ、真っ赤になった照れ顔で、下を向いてはチラチラと、絵里とエナを見ながら
「あ、愛人じゃないぞ?友達……いや、ただの親友じゃ。じゃから、その、あの」
「だれ?」
ハクも薄々分かっていて……だから、言い訳をしようとしたのだが……エナの冷たい一言に、その場の空気が凍り付き、重くなる。
絵里の胸から離れて一言発したエナは、静かに立ち上がると、ゾゾっとする程のオーラを出して首を傾げると一言、
「おまえ、だれ?」
瞬間、何か少しだけネヒィアに雰囲気が似て、エナが何を考えているのか、何を思っているのかが分からなくなる。
圧倒されるというか、同じ生物ではなくなったというか、恐怖を感じて足がすくむ。
ネヒィアの隣にいる、ハクっていう子なんて赤かった顔が、青くなって、震えてる。けれど、そんな中でもネヒィアだけは平然と笑って
「私の愛人だよ?ほら、指輪してる」
ハクが何か言おうとしたが、それを無視してネヒィアはエナに指輪を見せつける。ネヒィアが銀で……ハクが金。
その指輪はまるで……エナに似合いそうな金色で……
「それ、私の指輪よね?」
「そうだよ?」
あっ、と思って絵里はハクと一緒に絶句して、同時に視線を逸らす。
まさに修羅場みたいな……ああ、どっか行きたい。というか、ハクって子泣きそうだし……何とかしようよ?
流石にこれは色んな意味でやばいな、と思う絵里にだが、ネヒィアが
「ちなみに、主様にはもう教えたんだよ?お姉ちゃん。どう、びっくりした?」
なんでこっちに振ってきた?と思いながら絵里はエナを見る。すると、目が合った。
目が合った瞬間、エナは目を細めて絵里を見る。それに絵里は震えてる……口を少しだけパクパクさせて、首を横に振る。というか、それしか出来なかった。
だってエナ、超怖いし、超怒ってるし……
絵里も少し泣きそうになって、もう嫌だ、どっか行きたい、そんな事を思った時、
「サプライズ。勘違いお姉ちゃんにね。ねぇ……」
ネヒィアが今日1番のの衝撃というか、問題発言。
「子供ってさ、どうやって育てるの?」
そう言って……銀髪の小さな女の子を空間から取り出し、ネヒィアはそれを顔を見せずに大事そうに抱いた。
後1話、今日中に投稿するよ。
……想像していた春休みじゃない。もっと時間に余裕があると思ってて……今以上に頑張るから、お願い許してください。
面白い、続きが読みたい、そう思った方ぜひ、ブックマークそれと
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