34/4.ハク
七次元の悪魔の第六色ハクは、ネヒィアが出ていった穴をしばしの間呆然と眺めていたが……
「ま、神獣に常識なんぞ、通じぬか」
そう、ため息混じりに言って寝っ転がった。
久しぶりに来たと思ったら、助けて欲しいなんて……珍しい事もある。
今は仕事もないし、心配もない。ハクは、ダラダラしながらもやらないといけない事に手を出す。
それは、隠蔽術式の解除だ。本当にこれが面倒くさい。だが……まあ、やる事ないし、それに
「ネヒィアが来ると言っておったから、片付けないとの。明日の朝か……明日?日付けが変わったの、ついさっきじゃろ?」
あれ?なら今日の朝来る?いや、明日?……うん。分からん。
けどまあ、来る事に変わりはない。だから……ハクはのんびりと術式を解除し始めて、ついでにこの牢獄を壊す事にした。
◇◆◇◆
体を洗って来ると言って絵里、エナから離れたネヒィアは今、ハクを眺めながら笑みを浮かべていた。
この白い空間。時間の流れが外よりも速いと言っていたが、今は違う。
先程、ハクがこの空間に自分の空間を展開して今、時間がとてもゆっくりと流れるハクの空間になっていた。
要は、牢獄を自分のものにしたのだ。
「ハク。どう、私の所に来る気、起きた?」
「んー、そうじゃのう。別にいいにはいいが……その、主様とやらが迷惑するのではないか?」
「へー、どうして?」
「えーと、そのー、ネヒィアの事好きじゃろうから……我は邪魔になろう。それに……お主とはもう……あまり会えないのであろう?」
ハクがネヒィアに詰まりながらも、言い切ったその言葉は、悲しいことに事実であり……確かにあまり会うことはないかもしれない。けれど、
「お姉ちゃんがいる。それじゃ、ダメ?」
主様には一応言った。が、お姉ちゃんを主様だけで何とか出来るとは思わない。
2人だけでは、お姉ちゃんが大変な事になりそうだから……だから、ハクにどうにかしてもらいたい。
「なぜ、我なのじゃ?他はおらぬのか?」
「代わりは居ない。ハクがいい」
「そ、そうか。だが……我はお主と一緒がいいのだ。ただ1人の我の友人とな……だから……我は」
「そう。分かった」
ハクの言葉を無理やり遮り、ネヒィアは頷いた。そして、
「なら、一緒にマーラを何とかしよ?それが終わればどうにかなるかも、だから。とりあえずはそれだけで、どう?」
「まあ、お主がそう言うのなら……いいぞ」
「よし、決まり」
ネヒィアそう嬉しそうに言ってから、ハクに微笑みを向けると、
「ありがとう。ハク」
お礼を言って、手を出した。その手をハクは躊躇いながらも握る。そして、
「マーラは我も、消さなければとは思っておったから……その、よろしく、じゃ」
「うん」
恥ずかしがるハクに頷きを返して、ネヒィアとハクは牢獄を出る。だが、ネヒィアはすぐに立ち止まると、二ヒィっと笑って
「ここはびっくりさせよ。サプライズね。ハク」
そう言って、笑いながらハクに何かの魔法をかけたのだった。
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次から本編。よろです。それと、水曜日に投稿していない2話投稿しますのでよろしくです。
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