31.エナの野望
「絵里ちゃん、ネヒィア、起きて。絵里ちゃん!ネヒィア!起きて!」
「……うぅ」
エナの声を聞いて、絵里は目を覚ます。眠っていた意識が段々と目を覚まし、体の動かし方を思い出す。
そしてボッーっとしながらも目を少し開けて……眩しかったので目を閉じた。
「絵里ちゃん!ちょっと!」
そんな目を閉じた絵里を見て、笑い混じりの言葉を発したエナ。その後、少し驚く事になんと堪えるような笑い声が聞こえきた。
エナの笑い声を会ってから初めて聞いた気がした絵里は、それに少し何も言えなくなる。
それから少しの間、エナは笑い続けて気を取り直すように優しい声色で、絵里が忘れていた大事な事を言う。
「もう朝よ。早くしないとマーラが来ちゃう。急ぎましょ?」
そんなエナの言葉に一気に眠気が吹き飛び、絵里は目を開くと、バッと一瞬で起き上がる。
そうだマーラと決闘云々をするのだ。今日。
「エナ。まだ時間、大丈夫?」
「ええ、まだ時間はあるから、大丈夫。それよりも、焦らないで絵里ちゃん。急に動くのは良くないわ」
「う、うん。……ありがと」
絵里の言葉にエナは少し心配したように返事をして、エナの手が絵里の手に触れる。
それに少し照れながらも絵里は、お礼を言って……ふと気になった。
くんくん。くんくん。
「え、絵里ちゃん。ど、どうしたの?」
「いや、匂いが……」
「えっ?や、やっぱりまだ……あの時のが……ああ、絵里ちゃんの上で……私、あんな事するから……」
「……?エナ、このとってもいいお花の匂いどうしたの?」
「ん?お花のいい匂い……あ、あー、魔法で洗ったのよ。ネ、ネヒィアのあの白い液……皆に付いてたから……」
小声で何か言ったと思ったら、今度は自分でした事を忘れかけていた、らしくないエナ。そんなエナを絵里は不審には思いながらも、もう1つ気になった事を。
「そういえば、ネヒィアは?」
「えーと、確か……」
「おはよ、主様、お姉ちゃん」
絵里の背中からネヒィアの声が聞こえ、絵里は体を跳ねらせる。び、びっくりしたー。
と、ネヒィアは絵里に抱きつくと、耳元で意味深に囁く。
「ねぇねぇ、主様?お姉ちゃんが、水着脱いでるよ?どこで脱いだのかな?」
「ど、どこで脱いだ?わ、分からないけど……あっ、エナ。大丈夫だった?脱いだ時」
ネヒィアの言葉をいまいち理解出来なかった絵里だが、水着を脱いだら溜まっている快感全てが、強制的に襲うように作った事は覚えていたので、エナを心配するように絵里は言う。
そんな絵里の声に、明らかに焦りながら視線を逸らし
「だ、大丈夫だったわよ。特に何もなかったから……」
本当ではない事ぐらいは分かるような言い方で、エナは絵里そう言って……
「主様。お姉ちゃんは水着を主……んー、んー」
「絵里ちゃん。朝ごはんにしましょ?」
ネヒィアが何かを言いかけるが、それをエナがこれでもかと思うほどに止めて、ネヒィアが少しもがく。
それはもう明らかにエナが動揺していると分かる程で……可愛いなぁー、なんて思っている絵里に、
「あ、主さ、んー、んんー」
何を思ったのかネヒィアが何かを言って……絵里の体をネヒィアが足で絡め取りそして、
「ちょっ、うわ」
ネヒィアは絵里を自分の方に引っ張ると、絵里の顔をお腹へとくっ付けた。
そうして、3人仲良く花のいい匂いを纏いながら、朝っぱらから裸でイチャコラし出すが……エナだけは真剣にネヒィアを絞める。
「ネヒィア、いい?水着についての話はもうしないで。約束よ。ちょっとおかしくなってた、ただそれだけだからね。ネヒィアのせいで……分かった?」
エナの言葉は、いつも以上に覇気があって有無を言わさない。だから、ネヒィアはコクコクと頷き黙った。
そんなネヒィアが丸め込まれるすごい姿を見て絵里は……今更ながらに自分が裸だと気付き、エナ以上に焦り、ネヒィア以上にもがくのだった。
復活です。
見直しました。ただネヒィアの閑話だけは迷っておりまして……整理して話数が増えるかなーと思っている今日この頃。だからたぶん増えるよ。
面白い、続きが読みたい、そう思った方ぜひ、ブックマークそれと
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