22.特訓 2
かれこれ1時間ぐらいが経っただろうか。三日月が空高くから絵里、エナを照らし見守る。
ちなみに、絵里はまだ胸がまな板……というか、戻ってもまな板……な状況。
ま、まあそんな事は置いといて、絵里は少しずつだが確実に、魔法を使う事が出来るようになってきた。
「絵里ちゃん。もっと形を捉えて……それが出来たら、持ってくるの。頭から現実に、消すイメージを」
エナのアドバイスは、どこか掴みずらく分かりずらい。
それでも絵里は、なんとなくでエナの真似をして……
「すごいわ、絵里ちゃん。私の魔法を消すなんて、頑張ったわね。上出来よ」
絵里が消したのは、エナを襲った直後に出された、エナの服を守るようにして壁になっていた炎の魔法。
そして……
「どう?エナ。私、少しは強くなれたかな?」
「なっ、いつの間に……私の服を消したの?」
試練と言っていたエナの服を消す。それを今、絵里は達成する事が出来た。
それは、炎の魔法を消してやっとコツを掴んだから。アニメや漫画のように命令だけするのではなく、力を込める。見えない自分の手足を動かす感覚。
まあ、自分でもあまり分からないがコツは掴めたので、今ならなんでも消せる気がするのだ。だから試しに
「エナ。来て」
そう絵里は、エナに手招きをして呼んだ。それにエナは応え、スっと絵里に近づくのだが……
「エナは、中性だよね」
「……?中性?」
いきなり言われた、意味のわからない絵里の言葉。けれど、絵里は楽しそうで……エナは、はてと首をかしげる。中性とは……中性……?ん?
「え、絵里……ちゃん。これは、嘘よね?幻よね?私が見てるのは……幻覚、よね?」
「さー。それでエナ。次は何をやればいいの?もっと強くなりたいな」
「つ、次とかそれよりも……私こんな事教えてないわよね?」
焦りに焦りまくりオロオロするエナさん(中性)。そんな姿を見て絵里は、私の胸を消して煽ってきた、女の子だったエナはどこに行ったのか?そんな事を思う。
絵里は魔法を使い、エナの大事な所を消してみた。それが意外と好評だったようで……エナは涙目になって絵里に願う。
「お、お願い。私の大事な……を返して」
「声が小さくて聞こえないよ?私の大事な何を返せばいいの?エナ」
「し、下。女の子の、女の証を返して!」
「……何それ?」
絵里は笑いを堪えてとぼけ、エナは金切り声をあげ下の方を押さえている。なんの意味があるのかは知らないが、少し色気があって……そんなエナは子供が駄々をこねるように
「嫌よ。いや。私は女なのよ。絵里ちゃんと子作り出来ないなんて……ネヒィアの姉じゃないなんて……嫌よ。絵里ちゃん、戻して。返して。穴を返して」
エナは涙声で、目をうるうるさせながら絵里に向かって文句を言う。
そんな可愛い姿に絵里は少しだけ興奮して
「大丈夫。エナは女じゃなくても可愛いから。だから、早く。もっと強くなるから、教えて」
「ゔぅぅ。つ、次はなら、作って。私の大事な所を作るのが、試練……よ」
そんな言葉に絵里は嫌そうな顔をして
「えー、疲れた。もう、終わりにしよ」
「お、お願い。な、なら何でもするから。だから、作って、戻して、お願いします」
そんなエナの、何でもするという言葉を聞いた途端、絵里は嬉しく楽しそうに嫌な笑みを浮かべて
「それなら……せっかくだしエナ。コスプレをして」
「えっ?」
絵里の意外な願いにエナは戸惑いの声を漏らすが、
「わ、分かったわ」
そう肯定して……絵里にとっては幸せな、エナにとっては地獄の時間が幕を開ける。
月曜日分です。なので明日も出ます。ネヒィアの話は次ではない。だが、出ます。知らんけど。
さて、面白い、続きが気になるそう思った方、ぜひブックマークそれと、
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