2.出会い
「うぅ、何……どこなの、ここ?」
涼しい割に湿度高めのジメッた場所で、絵里は立ったまま目を開ける。光があまり届いていないのか、眩しくはない。だが、暗く……少し怖い。
絵里は手に握り込んだスマホの感触を確かめ、ゆっくりと辺りを見渡す。
すると、
「……主様♡主様ー♡」
子供の様な可愛く幼い声が聞こえ、絵里はそちらに振り向く。と、そこには……
「えっ、何……あなたは……誰?それに、な、なんで裸なの?……えっ、ちょまっ、うにゃ」
絵里より一回りほど小さい、長い髪が銀色に輝く裸の少女。
そんな少女は絵里と目が合い……その瞬間、思いっきり飛びつき甘える様に体を押し当てて来て、絵里はよろけてしまう。
「ちょ、ちょと!離して。重い。あなたのおっぱいが重いー!」
絵里の叫びは辺りに響き渡り、何重にも聞こえ、銀髪少女の動きを止めた。そして……
「あっ、ごめん……なさい……」
銀髪の少女は申し訳なさそうに言葉を零し、しょんぼりと肩を落として絵里から離れ、悲しそうな顔をして俯く。
そんな姿に絵里は、少し申し訳なさを覚えて、自分から手招きをして
「べ、別に……そんな顔しなくても……ほら、こっちにおいで」
「い、いいの?主様?」
「いいの。いいの。で、あなたは誰?それと、ここはどこ?」
絵里は銀髪の少女の頭を少し撫でてあげ、そのままその少女の頭を自分の胸に押し当てて、簡単な質問をした。
学校に向かっていて、地面が光って沈んだ。そして、目を開けるとここにいた。記憶はしっかりある。体に異常もない。なら、後は気になる事を聞いてみるだけ。
絵里はとても綺麗な銀髪を手で梳いながら微笑み、特に焦りもせずに質問の答えを聞く。
「わ、私はネヒィアと言います。えーと、それでここは、森の中の洞窟、です」
ネヒィアと言う少女はどことなく言葉を選びながら答えると同時、
「なるほどねー。でも、どうして絵里ちゃんをここに呼んだの?」
絵里が持っているスマホから、少し怪訝そうな声が聞こえて……
「えっ、何か知ってるの?……ていうか、何その声?誰?」
こんな本当の声の様なものを聞いたのは初めてで、絵里は驚きネヒィアを抱いたままスマホを見る。
だが、そんな絵里の驚きはスルーされ、
「えっ?えーとそれは……ここが1番、呼び寄せやすかったから……」
「そう。それなら、頑張ったわね。ネヒィア」
「お、お姉ちゃ……」
ネヒィアの言葉を遮りアプリは……いや、スマホが絵里の手から離れて宙に浮く。そして……
「絵里ちゃん。こんにちは」
「えっ、ええええー」
スマホが洞窟の中で青い光を発したかと思うと、スマホは光に飲み込まれ、ある1人の少女が絵里の前……ネヒィアの背に現れた。
それはネヒィアによく似た顔つき。ただ、髪は金髪短めであり、絵里より少し背が低い裸の少女だ。
「お姉ちゃん、久しぶり。合わせて」
「ええ、待たせたわね、ネヒィア。大体分かったわ。それじゃ絵里ちゃん。今からどうしたい?」
最後の言葉は小さくて聞き取れなかったけど、ネヒィアの言葉から考えるに、この金髪少女はネヒィアの姉らしい。
それにしてもどうしたい?……とは?
「えーと、どうって……ここは森の中の洞窟なんでしょ?ならまずは、外に出て……」
「絵里ちゃん。ここはね、絵里ちゃんにとっては異世界なの。元の世界に戻りたい?」
「い、い、異世界?ここは異世界なの?戻れるの?……えーと、どうしようかなー?」
絵里の実感がこもっていない言葉に、少し時間がいると思ったのか金髪少女は、
「まずは自己紹介だけしておくわ。私はエナ。そして、こっちが妹のネヒィア。私達はあなたに仕えるわ。だから、なんでも言って下さいね、ご主人様」
そう言って一礼……そんな姿に絵里は少し驚きながらも、
「なら……まず、この世界はどんな世界なの?」
何か夢でも見ているのだろう、そう思い絵里はエナとネヒィアの2人に向けて、楽しく微笑み、軽い声色で質問をした。
百合が好き、可愛い子が好きな人!ぜひブックマークそれと……
☆☆☆☆☆
↓↓↓
★★★★★
ポイントをぜひ、入れ下さい。よろしくお願いします。