199.主様
「ハクに、ネヒィアさん?」
水色の人の近くに行くと、カイメイが驚いたようにこちらを見て反応してくる。
「我とネヒィアも手伝うぞ!」
「これで、六対一だね」
私とハクはカイメイに笑いながら言葉を返して、みんなと同じように魔力で氷の蕾を押す。
でも、六人になったのにも関わらずジザンサスは耐え続け、中々押し切れない。
それどころか、
「こんな所で!僕は負けなんかしない!僕は、僕は、神を超えるんだ!」
「あ、あやつ、なんて力じゃ」
ジザンサスの力が一段と強くなって、氷の蕾がじわじわと押される。
そんな中水色の人が、
「夜の神獣達からも、力を借りている。このままだと、あの神獣達死んでしまうかも」
夜を司る神獣達を見ながら、どうしようかと悩んだように言葉を漏らした。
そんな言葉を聞いて、私は思わず口を開く。
「なら、早く決着を着けないと」
夜を司る神獣三人を殺すわけにはいかないから。
「で、でもどうすれば……」
カイメイは私の声に考えながら言葉を漏らすと、
「ハク。あの三人を、『聖域』に閉じ込められない?」
水色の人がハクに向けて、そんな事を聞く。それにハクは頷き、
「もちろん、出来ます。『大聖域』!」
聖域の入り口を大きくし、夜を司る神獣三人を飲み込んだ。その瞬間、氷の蕾がぐいっと動き、
「『叶願』」
水色の人が大きな声で魔法を唱えた瞬間、氷の蕾は綺麗な花になり、蒼い虎諸共ジザンサスを凍り付かせる。
だが、冷気の中から一瞬だけジザンサスが逃げていくのが見えて、私は皆に言おうか少し迷ったあと、
「皆、お疲れ様」
私は皆に笑ってそう口を開いた。
それに皆、
「あー、死ぬかと思ったー。助かったよ、私」
「なんとかなって良かったぞ」
「あとは、エナさんと少女を迎えるだけですね」
疲れたように言いたい事を言って、
「ネヒィア、ハク。後は頼んだ。私達は、行くから」
水色の人が私と優しい方のハクに視線をやってから、姿を消し、
「では、また。ネヒィアさん」
「さ、さよならです」
カイメイ二人も影の中に消えて行き、
「私、後処理はよろしくね」
「はぁ……ネヒィア。またな」
「うん。バイバイ」
ハクのじゃの方もため息を吐きながら、『聖域』に消えて行き、
「それじゃ、ネヒィア。これから大体の流れを言っておくわね」
ハクが洞窟の中へと歩きながら、説明をしてくれる。
「私は、エナと少女をあっちの世界からこっちの世界まで引っ張ってくるから、出てきたらお迎えしてあげてね。それと、空間の歪みがない方まで引っ張るから、そっちにいてね」
「分かったけど、なんでない方に?」
「何が起こるか分からないから、念のためよ念のためよ。なにか聞かれたら、そっちの方が都合が良かったとか、呼び寄せやすかったとか適当に言っとけばいいから。それじゃ、よろしくね。うふふ、絵里ちゃんにやっと会えるわ」
ハクはニヤニヤしながら空間の歪みの前へと行き、私はない方へ。
そして……
「……主様♡主様ー♡」
少女の事をなんて呼ぼうか少し悩んだあと、色々と都合が良さそうだったので、そう呼んで抱きついた。
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