196.虎王
「ジザンサス様、捉えました。座標はデバータ大陸、リーヤ王国南西、十二の二十七、丁度です」
「やっと、僕のターンだね。ハク、カイメイ、それから神獣、僕が最強になる瞬間を見届けるといい。行くよ、ノーロイド」
『御意に、我が主よ』
◆
人生で二度目の咲き誇った桜を眺めて、もう時期会えるお姉ちゃんに胸踊らせながら、私は洞窟の前へと戻る。
「おはよう、皆」
「おはようじゃ」
「おはよう、ございます」
まだ日が昇って少ししか経っていないが、今日は珍しく皆起きており朝ごはんを軽く食べ、いつもの様に好き勝手している。
私もその中に加わり、いつも通りカイメイに話しかけようとしたその時、いきなり空間がひび割れ黒い割れ目から、
「やぁ、久しぶりだね。ハク、カイメイ。そして、翼をもがれた小鳥さん」
青髪青眼、青い服を着た、『七次元の悪魔』第二色【蒼】を司る悪魔、ジザンサスの癪に障る声が聞こえてきた。
そして、
『お久しぶりです。ネヒィアさん』
『ふん、つまらぬ場所だな』
『妾は好きぞ、この場所』
第一夜【鯨】を司る神獣ノーロイド。第三夜【猪】を司る神獣ティア。第二夜【狐】を司る神獣ファクトの三名が続いて、青い服を着て出てきた。
その瞬間私、ハク、カイメイは素早く立ち上り辺りを警戒する。だが、他には誰も現れず空間が元に戻ると同時、今度は白い魔法陣が展開されて……
「ネヒィアさん、お久しぶりです」
「相手はこれだけか。私達の勝ちだな」
「ネヒィア、それとカイメイちゃん!やっほー」
カイメイの半身そして、水色の瞳に水色のドレスのような服を着た不思議な人、ハクの半身が現れた。
私は色々な人が一斉にやって来て驚くけれど、
「ネヒィア、カイメイちゃん、それと私。今日エナと少女が来るはずだからここ、死ぬ気で守るのよ?」
ハクの半身が真剣な声でそう言ってきて、私は無駄な思考を切り捨てて深呼吸をし、第二色ジザンサスの方を向く。
「いいね、いいね。さぁ、おいで。僕達と戦おう」
私と目が合ったジザンサスは、歪んだ笑みを浮かべると同時、各々の魔力が膨れ上がって、一気に皆が動き出す。
「ほらっ!」
「ネヒィアは下がっていて」
私を殺しにかかってきたジザンサスの攻撃を、ハクの優しい方が防いでくれ、私は洞窟の入り口まで下がる。
それと同時、カイメイのどちら共の半身、そしてハクのじゃの方の半身、水色の服の人が、それぞれ神獣を相手にして戦い始め、何個もの魔法陣が展開されては魔法が放たれ、戦場へと景色が変わっていく。
と、カイメイの半身が私の影から現れ、
「ネヒィアさん。あと二時間程でエナさんが少女をこちらの世界に連れてきます。ネヒィアさんはここにいて、二人が来たら出迎えて下さい。あっちの世界からこっちの世界までの案内は、ハクさんがやってくれますので」
それだけを言い残し、カイメイは再び影の中へ。
私は取り敢えず洞窟の入り口で待機ということなので、皆の戦う様子を見てみる。
ハクの優しい方と水色の服の人が同じぐらいに強く、次いでジザンサスと言っところ。でも、こちら側が優勢ではあるけど、この人数とメンバーにしては、やけに差がついていない。
と、ジザンサスはハクに向かって、
『虎王爆雷・大断願』
モネクだけが使っていたモネクだけの魔法を唱え、黄色ではなく、蒼色の雷を体に纏うと、まるでモネクが本来の姿に戻って襲うように、空中を龍のように舞い、ジザンサスはハクに噛み付いた。
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