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193.地図創り

 カイメイの聖域(テリトリー)から出ると、時間は日が昇る少し前で、東の空が薄っすらと明るく、控えめに星々と月がまだ輝いていた。


「結構いたね」


「そうですね。私の聖域(テリトリー)は、流れる時間が少し速いですから」


「まあ、なんともなっておらんから気にせんでええじゃろ」


「うん、そうだね」


 ハクの言葉に頷いて、私は寝っ転がる。今日はお姉ちゃんから連絡があるだろうか。


 ◆


 一日、二日、一月、二月と時間は過ぎて、時々気分で覗く空間の歪みの景色は、雪が降り積もっていた。


 人々は皆、厚い服を着て、それでも寒そうに雪の中を歩いている。


 でもこっちの世界はそんな事なく、少しだけ変わった面白い日々を過ごしている。


 カイメイに体を触られ、極稀に来るお姉ちゃんの言葉を聞き、ハクとカイメイと何気ない会話を繰り返す。


 長いようであっという間なそんな時間。でも、もう少しで終わると考えたら、結構寂しい。いくら、お姉ちゃんがもう少しすれば帰ってくるとはいえ。


「ふぅー……」


 気にしない様にしていたけれど、不意に頭の中を掠める。


 私とお姉ちゃんが死んだら、何人が泣いて悲しむのだろうかと。何人が、喜んで笑ってくれるだろうかと。


「おっ、おかえりじゃ、カイメイ」


「は、はい。ただいまです。ネヒィアさん、ハク」


 でもまあ、きっとこの二人は悲しむだろう。それにもしかしたら、私とお姉ちゃんなんかのために涙を流してくれるかもしれない。


 本当、いい友達を持った私とお姉ちゃんは、幸せ者だと思う。


「ネヒィア、何じゃ?嬉しそうに笑って」


「何か、いい事でもあったんですか?」


 最後、死んだら悲しんでくれる人が二人もいる。ああ、やっぱり不遜かもしれないけど、嬉しいな。


「いや、カイメイとハクの二人が、可愛いなって思って」


「な、何じゃ急に?」


「そ、そうですよ……」


「ふふ。カイメイ、おかえり。地図は進んだ?」


 照れる二人に私は思わず笑って、ハクがふと言い出した世界の地図を書こうという、遊びというか暇潰しについて聞いてみる。


「え、えっーと、はい。少しですけど……」


「少しずつでいいよ。ゆっくりいこう」


 一日ずつ交代して、まだ書いていない場所の地図を書く。ルールはそれだけですごく簡単。でも、すごく面白い。


 ハクとカイメイは空間移動を使って、別の大陸の地図を書き、私はここの大陸の地図を書いている。


 今日はカイメイの番で、私、ハクと続きループする。


 この世界には五大陸あるけれど、あと二つの大陸はまあ、またいつかということで、お姉ちゃんが帰ってくるまでに取り敢えず三つの大陸の地図は書こうと、軽く話し合って決めた。


「おおっ、カイメイはもうすぐ終わりそうじゃな」


 私が、地図を書き始めたときのことを思い出していると、カイメイが地図を見せてくれる。


 大まかな大陸の形は皆書けていて、森や川等の地形等を今は書き加えている。


 カイメイは丁寧にそれをやって、今日でほぼ終わりといった感じ。ちなみにハクは三割程で、私はまだ半分ぐらいしか書けてない。


「早いし上手い。カイメイは流石だね」


「そうじゃ!そうじゃ!カイメイは凄いぞ!」


 私とハクが褒めると、カイメイは恥ずかしそうにでも、嬉しそうにお礼を言ってくる。


「ありがとう……ございます」


 それに私とハクは笑って、


「今日はなんのご飯を作ろうかな?」


 私はいつも通り晩ごはんの支度をして、気分でミートサンドを作り、仲良く三人で食べ、そしてまた朝を迎え、今度はハクが地図を書きに洞窟の前を離れて行った。

面白い、続きが読みたい、そう思った方はぜひブックマーク!それと、

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