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190.黒い悪魔と黒い城

 お姉ちゃんだけがあっちの世界に行って、一ヶ月が経った。


 相変わらず、週一でカイメイに体を触られる時間が出来たこと以外は、特に変わりない。


 お姉ちゃんも特に変わりはないらしく、少女と仲良いままなんだとか。


「何じゃ?」


 特にやる事もないし、したい事もないのでハクを見つめると、ジト目でこちらを見てくる。


「暇」


「我もじゃ」


「もう、行きたい所とかないの?」


「ない」


「したい事も?」


「ないな」


「カイメイ、好き」


「な、な、なんですか?急に」


 カイメイに急に話を振ってみると、カイメイは照れながら顔を赤くする。


 私、ハク、カイメイの三人でいるこの時間は全く持って苦痛とか嫌とか、そう言う訳では無いのだけど、暇がとにかく襲いかかってくる。


 そもそも悪魔も私も長く生きているので、やりたい事は一通りやって来た。


 なので、長い時間生きる生き物は基本、収納魔法を応用して、自分の聖域(テリトリー)を創りそこで、睡眠やら冬眠やら仮眠やらをして、起きたら世界をダラダラ見て、また聖域(テリトリー)に戻るなんて生き方になる。


 もちろん、私とお姉ちゃんみたいな例外もいるにはいる。世界を回ったり、魔法の修行をしたり……けれど、大体は前者で、ハクとカイメイも普段ならそう。


「どっか行かない?」


「……無理じゃな」


 そしてもっと面倒くさいのが、何かあってはいけないので、あまりここを離れられないということ。だから、


「暇」


 こうなってしまう。


「なっ、なんですか?」


 ハクに続いて暇なので、カイメイを見つめてみると、気まずそうに視線を彷徨わせる。と、頭を軽く叩かれて、


「カイメイを困らせるな」


 過保護のハクに怒られ、少し頬を膨らませながら視線を戻すと、


「あのっ、そんなに暇なら少しだけ、私の聖域(テリトリー)に来て頂けませんか?」


 カイメイが思ってもみなかった提案をしてくれたので、私はニコニコで頷く。


「うん!行く!」


 すると、ハクも珍しく最初から頷いて、


「あまり長居はせぬぞ」


 それだけ言って、私よりも先に立ち上がった。なんか、カイメイの事となったらすんなりしている所が腹立つ。けど、私も立ち上がり、それと同時カイメイが聖域(テリトリー)の入り口を開き、


「どうぞ、入って下さい」


 真っ黒な入り口に私、ハク、カイメイの順番で入った。


 入ってすぐ目にしたものは、上下左右奥行きが全く分からないほどの暗闇。


「何も見えない……」


「我の聖域(テリトリー)とは、正反対の色じゃな」


「あの、こっちです」


 不意に優しく手を握られたかと思うと、カイメイの声が聞こえて手を引っ張られる。


 それからしばらく歩くと、目が慣れたのかほんの少しだけ黒と黒の見分けがつけれるようになって、地面が何か蠢いているのが分かり始め、どこか不気味で怖いな、なんて考えていると、


「ここを通り過ぎたら、明るくなるので、お気を付けを……」


 カイメイが、地面と同じ様に蠢いている壁の前に止まって言ってきたので私と、ハクもたぶん頷いて、一歩足を踏み入れた瞬間、一気に周りが少し明るくなり、不思議な場所に辿り着いた。


 そこは紫色の空が私達を見下し、枯れた木々が所々に生え、黒い蝶々が飛んでいる場所で、目の前には黒いお城がそびえていた。


「あの、ネヒィアさんとハクさん。あのお城の中から……探して欲しい物があるんです。頼めますか?」


「もちろんじゃ!じゃが、何を探せばいいんじゃ?」


 私が反応するよりも早くハクが反応して、なんなの?という目で覗き込むと同時、カイメイはしっかりした声で、


「悪魔に関する全ての記録です」


 探し物を教えてくれ、歩き出した。

ちょっと遅いですけど、ブックマーク200件ありがとうございます!!


物凄く嬉しいです!!


書き始めの頃は、こんなにいくとは思ってなかったので、なんやかんやですけど、続けてよかったなって思います!


皆さん、本当にありがとうございます!!


面白い、続きが読みたい、そう思った方はぜひブックマーク!それと、

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よろしくお願いします。

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