188.あなたの熱が欲しい
お姉ちゃんだけがあっちの世界に行って、一週間が経った。
でも時々、あっちの世界からお姉ちゃんの声が届いて、近況を知らせてくれるので、正直想像よりは寂しくもないし、悲しくもない。
お姉ちゃんはここ一週間で問題なく少女と仲良くなり、今はそこそこ長い時間話すようになったんだとか。
でも、ちょっと不満なのが、
「もう、今日は来なさそうじゃな」
「そうだね」
通信魔法の使い方を理解したようで、最初は沢山お姉ちゃんの声が聞けたのに、今は必要最低限の言葉しか聞けないこと。
それにこちらからも言葉を送れるけど、それはハクだけで、私は話せない。
つまり今日もまた早々に、
「暇」
「そうじゃな……」
暇を持て余すことになる。
「ねぇ、カイメイはしたい事とかない?」
なので、また今日も何かやる事を探そうと洞窟の前でゴロゴロしながらカイメイに話を振ると、
「あの……ネヒィアさん。触らして……くれませんか?」
カイメイがカイメイらしくない事を言ってきた。
「どこを触りたいの?おっぱい?」
私はちょっとからかうように、カイメイにそんな事を言ってみると、なんと頷き、
「そこも含めて……全身を……だめですか?」
どこか視線を彷徨わせながらそう言ってきた。そんなカイメイを見てハクが、
「カ、カイメイ、どうしたんじゃ?何か悪いところでもあるのか?そんな淫らではないじゃろお主……嫌な事でもあったのか?」
まるでお母さんの様にめちゃくちゃ心配しだして、優しく言葉をかける。けれど、カイメイは首を横に振って、否定する。
「い、いえ……」
でもハクは、何故かそこで食い下がって、
「カイメイ、大丈夫じゃ。我がおる。何かあったなら、我と二人で話そう。な?」
私を完全に無視して、ハクはカイメイを心配し続ける。それが気に食わないので、カイメイに尋ねてみる。
「ちなみに、理由を聞いてもいい?」
「えっーと……それは……さ、触ってみたいから……」
「カイメイ。触りたいなら、我の体じゃだめなのか?ネヒィアにそこまで拘らんでもいいじゃろ?ネヒィアは忙しいからな」
何だかよく分からないけど、ハクの言葉がいちいちうざい。
「ねぇ、ハク。カイメイが、私の体を触りたいって言ってるんだら良いじゃん、それで。なんなの?」
「あっ、いや、そのな……カイメイは純粋じゃから……」
「私も純粋だけど?」
「いや、それはないじゃろ?」
「えっ、喧嘩する?」
「いやいや、大丈夫じゃ!」
「じゃ、さっきからなんなの?」
「いや、我はただ、ネヒィアの様に淫らには……なってほしくないと思ってな……」
「何?馬鹿にしてるよね?」
「まさか、そんな事はないぞ!」
「そう。カイメイ、ハクの前でもいい?それとも、二人っきりがいい?」
「ふ、二人っきりが……嬉しいです」
「分かった。来て」
ハクが一々馬鹿にしてきて腹が立つので、もうハクを無視してカイメイの手を引いて洞窟の中へと入る。
すると、後ろから、
「ネヒィアの変態ー」
なんかイラッとするトーンのハクの声が聞こえてきて私は、
「ハクのバーカ」
馬鹿にしながらそう言うと、
「ネヒィアのバーカ」
同じ言葉を返されて、ちょっとキレそうになった時、
「仲良し、ですね」
カイメイが微笑みながらそう言い、私の耳元で言ってくる。
「ハクは、寂しいんですよ。だから後で、ハクとイチャイチャ、してくださいね?」
その言葉に私はどこか納得して、
「分かった。こてんぱんになるまでやるから、安心してね」
笑みを浮かべながら言葉を返して、カイメイと一緒に洞窟の奥へと向かった。
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