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185.もうすぐそこに

 お姉ちゃんも私も落ち着きを取り戻して、魔法で体を綺麗にした後、手を繋ぐ。するとお姉ちゃんが、


「ネヒィア、最後に……んっ♡」


 ぎゅっとくっついて舌を入れてキスをしてきたので、私も負けじと奥まで舌を入れて、


「「んぐっ♡……ぷはっ♡」」


 お姉ちゃんが満足げな顔をしながら離れると、


「行きましょう、ネヒィア」


「うん!」


 私達は手を繋いだまま空へと飛んで、ハクとカイメイがいるあの洞窟の前に向かった。


 ◆


 洞窟の前へと着くと、ハクとカイメイは焚き火を囲って座っていて、私達を真面目な顔で出迎える。


「ゆっくり出来ましたか?」


「ええ、久々に誰にも邪魔されずネヒィアと仲良くできたわ」


 お姉ちゃんの言葉にカイメイは少し笑って、


「どうぞ、座って下さい。大事な話がありますから」


 私達に座るよう言ってきたので、お姉ちゃんと隣同士になって座る。


 そして、カイメイは重そうに口を開く。


「エナさん。ネヒィアさん。まずは沢山、謝らないといけない事があります。私があの……ノテーファさんから貰った物はあなた達の知識と、ほんの少しだけの未来の出来事です。嘘をついてごめんなさい」


「気にしなくていいわ」


「カイメイ、大丈夫。謝らないで」


 カイメイの言葉にお姉ちゃんも私もあまり謝るような事ではないと思ってそう返すけれど、カイメイは首を横に振って、


「それだけじゃないんです。……エナさん、ネヒィアさん」


 どこか言葉に力がなくなって、視線が彷徨い出す。それは、言おうかどうか迷っている時の視線で、カイメイは息を大きく吸うと意を決した様に私達を見て言ってくる。


「あなた達の寿命はもう……あと少ししか残されてないんです」


 カイメイの押し殺したような悲しい声に、でもお姉ちゃんは明るく、まるで最初から知っていたかのように言葉を返す。


「そう。……私はネヒィアと死ねるなら、構わないわ」


 それを聞いて、ハクがばっと怒った様にこちらを見ながら言ってくる。


「本当に死ぬんじゃぞ?我と、カイメイにももう……会えんくなるんじゃぞ……」


 言葉を言い終わるに連れて、弱々しい今にも泣きそうな子供のようになり、視線も下を向く。


 それを見てしまって、お姉ちゃんの言葉にせっかく覚悟を決めていたのに、揺らいでしまう。


 でも……


「仕方がないよ。私達は生きてんるだから」


 色々な友達を見送って来たんだから、今度は私達の番でも不思議じゃない。


 それにもう死ぬと分かっているのなら、後悔しないように生きれるし。


「……何千年も生きているからでしょうか、あっさりしてますね……」


 カイメイの言葉に、私もお姉ちゃんも内心はそうではないけれど、頷く。


 それを見て、カイメイは少し胸を撫で下ろしたように、表情が柔らかくなる。でも、まだ伝えないといけない事は沢山あるようで、


「次なんですけど……このままだと世界が滅びます」


 物凄い事をカイメイは言い出す。でも、誰一人驚かずカイメイは話を続ける。


「あの空間の歪みに、この世界の魔力が流れ出ていて、このままだと魔力がなくなるんです。だから……あっちの世界から、誰かを連れて来て、しばらくこっちの世界に居てもらわないといけない……」


「それは、誰でも良いのかしら?」


 カイメイの言葉を遮ってお姉ちゃんが口を開く。それにカイメイは頷き肯定する。


「はい。誰でもいいです。あっちの世界の人間なら」


「そう……簡単ね」


「で、でも、これはノテーファさんから頼まれた仕事みたいなもので、期限があります。一年と半年までにやらないと。それに……嫌がられて暴れられると、あっちの世界の人間なので、手が付けられなくなるかもしれません。だから……」


「つまり、私達の事を大好きになってもらえれば、解決するわね?楽しそうじゃない」


 お姉ちゃんは本当に楽しそうな声で、最後は私の方を向きながらそう言った。

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