表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

177/201

177.追い付けますように

 私とお姉ちゃんはお風呂に浸かり、カイメイは足湯を、ハクはもうお風呂に入ったので地面に座り、皆が落ち着いた所で、


「ネヒィア、さっきの術式以外に何か頭に入ってきた事はないかしら?」


 お姉ちゃんがそう聞いてくる。だから私は正直に、


「どうしてあっちの世界は人間に支配されているか、って記憶が入ってきたよ」


 それを聞いて、お姉ちゃんは少し笑うと、


「私は、あっちの世界にあるものが大体分かるようになったわ」


 そんな事を言ってきて私は少し驚く。でもふと、ノテーファは皆に知恵を授けると言っていたことを思い出して、


「もしかして、ハクとカイメイも何かある?」


 二人を順番に見てそう言うと、


「我はあっちの世界とこっちの世界を繋げて話せる術式じゃ」


「私は……」


 ハクはしれっと便利な術式を言い、カイメイは何故か言葉を詰まらせる。


「どうしたの?」


 私はそれを見て優しく言葉をかけると、カイメイは少し間をおいてから私達の方を向いて、


「私は、魂と(はく)についての知識です」


 しっかりと言ってきた。でも、どうしてそんな知識を?と思っていると、


「明日、皆でまた行かないかしら?」


 お姉ちゃんがそう言って来たので、


「行こう」


 私が嬉々として言葉を返すと、カイメイも頷き、ハクは渋々頷いた。


「明日、ノテーファに貰った知恵が本当かどうか、確かめてみましょう」


 ◆


 朝、目を覚ますと皆はどうやら起きていて、朝ごはんを食べていた。


「おはよう、ネヒィア」


「……おはよ、お姉ちゃん」


 今日の朝ごはんはどうやら、パンに焼いた卵を乗っけただけの軽い物で、一分も経たずに食べ終わると、


「ネヒィア、魂を魄に変えましょう」


 お姉ちゃんがそう言ってきたので、カイメイに教えてもらった術式を使って魂から魄へと変える。


「これで、大体準備は整ったかしら?」


 なんの問題もなく魄に変わったお姉ちゃんは、皆に向けて口を開いた。


 それに皆頷くと、


「それぞれ自由に動いて構わないけれど、あっちの世界に入った瞬間から、五十分が経ったら、元の世界に戻ってくる。それでいいかしら?」


 お姉ちゃんの言葉に皆はしっかりと頷いて、洞窟の中へと入り、お姉ちゃん、私、ハク、カイメイの順番で空間の歪みへと飛び込んだ。


 ◆


 目を開けると山桜は少し散って、地面に沢山の花びらが落ちている。


「また来たわね」


 隣にはどこか楽しそうなお姉ちゃんがいて、手を繋ぐと、ハクとカイメイを探そうと辺りを見てみる。


 けれどいなくって……


「もう先に行ったんじゃないかしら?」


 お姉ちゃんの言葉に、そうみたいとだけ返して、私とお姉ちゃんは歩き始める。


「この世界はやっぱり人間が多くて不思議」


「そうね。それに、沢山物も溢れかえっていて、少し覚えるのが大変だわ」


 お姉ちゃんの言葉に、私は邪魔しないよう静かにしながら、物はお姉ちゃんに任せて私は人間を観察してみる。


 皆色々な服を着ていて、色々な髪型で、大人ほどどこか疲れた表情をして、急いでいる。


 それに前来た時も気になったけど、この世界の人間は不思議な板を吸い込まれるように触っていて、その時はなんだか少し感情が冷たいなと思う。


 人間同士で話している人は、明るくて感情が温かいのに。


 それからしばらく色々な人間を観察し、この世界に来て十分が経とうとした時、前も来た大きな四角い物が立つ、人間が多い場所に来た。


 と、またいい匂いがして、


「高校生活……上手くいくかな?」


 どこか悲しそうに一人、言葉を零す少女を見つけて、私はお姉ちゃんに声をかける。


「私、あの女の子を追いかけたい」

面白い、続きが読みたい、そう思った方はぜひブックマーク!それと、

☆☆☆☆☆

↓↓↓

★★★★★

広告下の星を押してポイントを!ついでに、いいね!と思ったらいいね!ボタンもポチッと!

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ