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168.重く暗い闇の中

 

「まず、魂を(はく)に変える術式ですが、こんな感じです」


 カイメイは呼吸をするように、自分の後ろに無数の魔法陣を展開した。魔法陣の色は真っ黒で、あまり見ない色。術式自体は複雑そうではあるけど、覚えれないほどではない。


 私とお姉ちゃんはお互いに目を合わせてから、魔法陣を一個一個見て、術式を覚えていく。


 そうして五分かからずに、私もお姉ちゃんも覚え、術式を展開してみる。


「……流石ですね。完璧です」


 私もお姉ちゃんも、カイメイが感心して言葉を零すぐらいには上手く術式が展開出来、魂が魄へと変わっていく。


 けれど……変わっていくに連れて、なんともいえない不快感が襲ってくる。体の奥底が黒ずんで重くなるような、何かが蠢くような、そんな感覚。


 それが強くなって来たかと思うと、次は体の力が抜けて、感覚がなくなり始める。視界もぼやけ、変な匂いが鼻をついて、キーンという耳鳴りが聞こえだす。


「カイメイ……これ……」


 私はなんとか口を動かして、ぼやけた視界の中でカイメイを捉えると、カイメイは私とお姉ちゃんの手を握ってくれ……


「まだ耐える……て……悪魔の素質が……ますね」


 カイメイは口を動かして何か言うけれど、耳鳴りが酷くて聞こえない。ぼやけていた視界は、次第にチカチカと暗くなったり明るくなったりを繰り返して、唐突に意識が飛んだ。


 ◆


 焚き火の木がパチッと弾ける音と、何かにピシッとヒビが入る音が同時に聞こえて、目を覚ます。


 空はすでに夜空で……重い体を必死に起こしてなんとか座る。


 頭が痛くて気分が悪い。それに体も怠いし……


「起きたのか。ほれ、水じゃ」


 私がお姉ちゃんを探そうと辺りを見渡して、お姉ちゃんをみつけ、そこまで行こうとした時、ハクの声が少し悠くからかかった。


 ハクは魔法で水を浮かせて、私の前に持ってきてくれる。私はそれを少し飲んでからお礼を言って、お姉ちゃんの所まで必死に動き、手を繋いで横になる。


「エナもネヒィアも、大分マナが体に馴染んだようじゃな。明日の朝には、カイメイは帰って来ると言っておったから、帰ってきたら頑張ってカイメイに勝つんじゃぞ?」


 ハクの言っていることがいまいち分からないまま、取り敢えず相槌だけ打って、私は目を瞑る。


 すると、空いていた右手を握られる感触があって、私はできる限り握り返しながら、


「ハク……おやすみ……」


 そう言ってまた静かに眠った。


 ◆


『魔法・エネルギーの値がまた1%減少しました』


『まだ原因は分からないの、オセラ?』


『はい……それにエナとネヒィアの場所がまた、分からなくなりました』


『そう……モネクがいなくなってからおかしい事ばかりね』


『ノテーファ様、どうしますか?』


『このままだと、魔法が使えない世界になってしまうわ。それだけは止めないと。オセラ、手分けして問題を解決しましょう。私は魔法・エネルギーの値が減っている原因を探るわ。オセラはエナとネヒィアの場所が分からなくなっている原因を探ってちょうだい』


『御意に、ノテーファ様』

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