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167.希望の輝き

 

「それで、どうしましょうか?」


 洞窟から一旦出て、空間の歪みが通れるようになるまで待っていたいつもの場所で、カイメイが皆を見ながらそう聞く。


 今考えないといけないのは、どうやったらあっちの世界でも、ここと同じように動けるか。


 あっちの世界の魔力の濃度は、こことは比べ物にならないぐらいに高く、私とお姉ちゃんが長時間いれば、カイメイいわく、肉体が空間に溶けて、魂が周りの人間達に吸われて死ぬんだとか。


 なら、今よりももっと体の中の魔力を増やすべき?


 それとも、魔力が外に出ないような術式を創ってみるとか?


 色々と策はある気がする。なので、取り敢えず色々と聞いてみる。


「カイメイ。あっちの世界の魔力の濃度って、ここと比べてどれぐらい違うの?」


「断言は出来ませんが……この世界の魔力の濃度を一とすると、あっちの世界は一万から、二万ぐらいです」


 カイメイの返事を聞いて、私は少し考えてから、一万倍の差を埋めるのは流石に無理があると思って、まだ可能性がありそうな他の案について言う。


「魔力と魂が外に出ないような術式を創るのはどう?」


「仮に術式が出来たとしても、あっちの世界に行けば維持するだけで膨大な魔力を使います。あっちの世界の魔力が私達には使えない以上、難しいと思います」


 カイメイの答えを聞いて、そういえばそうと、あっちの世界の魔力が私の中に入ってこなかった事を思い出す。


 こっちの世界に帰って来るまで、体の中の魔力が増えた感覚を感じなかった。でもどうして……あっちの世界の魔力さえ使えれば、なんとかなりそうなのに……


 と、お姉ちゃんが首を傾げながら不思議そうにカイメイに聞く。


「カイメイ。私達はどうして、あっちの世界の魔力を使えないの?」


「それは単純に、魔力の濃度の差が大きすぎるので、私達の体が対応仕切れないんです。そうですね……少し例えとしては離れているかも知らませんが、湖で生きている魚が、海水では生きれない、という感じです」


「そう。私達は湖で生きている魚、ね。……それじゃ、ハクとカイメイ、あなた達悪魔はどうなるのかしら?」


「私達、ですか?」


 エナの言葉にカイメイは目を見開いてから、でもすぐにその表情は曇る。


「悪魔は魂の代わりに、(はく)が宿っていて、その(はく)に魔力を通して、魔力とは少しだけ違う、マナといわれる物にして、マナで肉体を形作って、魔法を使っています。だから、あっちでもこっちでもある程度生きれます。なので例えるなら、魚ではなく両生類ですね」


「そう。私達の魂を(はく)に創り変えれないの?」


「……神獣であるエナさんとネヒィアさんなら、出来なくはない、はずです」


 カイメイの返事に、私は表情が明るくなったお姉ちゃんと顔を見合わす。


「やったわね、ネヒィア」


「うん、お姉ちゃん。なら早速……」


「待て。いくら魂を(はく)に変えたからと言って、自由に生きれる訳じゃないぞ?せいぜい、一時間が限界じゃ。あっちの世界の魔力は、取り込んでマナに変えれぬからな」


「でも、一時間いれるなら十分」


「カイメイ、どうするんじゃ?」


 ため息を吐きながらハクがそうカイメイに振ると、カイメイは微笑んで、お姉ちゃんと私に優しく言ってくる。


「魂の形を何回も変えると、肉体が傷付くので、少し時間はかかると思いますが、魂を(はく)に変える術式と、(はく)を魂に変える術式を教えます」


「よろしくね、カイメイ」


「頼むわ」


「はい」


 こうして、なんとかあっちの世界にいられる方法を見つけて、私とお姉ちゃんにとって久しぶりの修業が始まった。

面白い、続きが読みたい、そう思った方はぜひブックマーク!それと、

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