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154.お礼

 

「はぁ……ふぅ……はぁ……」


 何とかネヒィアのこちょこちょに十秒耐えて、エナから解放された絵里は、呼吸を必死に繰り返す。


「主様、おはよ」


 そう言って、ネヒィアは絵里にまた抱きついて、お腹に顔を埋める。


 絵里はそんな事気にせずに、何とか深呼吸をして、落ち着きを取り戻す。


 想像以上にネヒィアのこちょこちょが辛かった絵里は、ちょっとした仕返しにお腹を顔でグリグリしているネヒィアのお尻を叩いて、


「ネヒィア、ちょっと離れてくれる?」


「うん」


 ネヒィアがそう頷きながら離れた所に、絵里は後ろから抱き着いておっぱいを服の上から鷲掴みにして、


「もう、ネヒィアの体生で触ってあげない」


 そう冗談半分で、もみもみする絵里。


「主様、触っていっぱい服の下から」


 ネヒィアは服を脱ぎ始めて、絵里にキスをしようと顔を近づけた時、エナが、


「ご飯、出来たわよ」


 その声に、絵里は顔を振り向かせそちらの方を見る。ネヒィアは、行き場の失った唇を絵里の首に。


「んっ♡……ネヒィア、ご飯だって」


 ネヒィアの頬っぺを両手で掴んで、引き離すとエナが作ってくれたご飯を受け取る。


 お皿の中にはご飯の上に、卵とお肉を一緒に炒めたおかずがたくさん乗っていた。


 私が食べ始めると、ネヒィアも同じ様に食べ始める。そんな様子を見ながら、エナは真剣な表情で口を開く。


「そう言えば、絵里ちゃん。今日は少し、遠くへ行くわ。いいかしら?」


「遠くって……どこに行くの?」


「覚えてるかしら?私達が初めて会った洞窟。あそこよ」


「覚えてるけど、そこで何するの?」


「それは着いてからのお楽しみね」


 エナはそう楽しそうに言うと、遅れてご飯を食べ出す。絵里も少しワクワクしながら、そのままご飯を食べ終わりエナが食べ終わるまでの間、ネヒィアと絵里は先にいつもの服を着る。


「それじゃ、行きましょうか」


「うん!」


 エナも服を着終えて、絵里の返事と共に宿屋を出てしばらく歩く。けれど……


「本当にこっちで合ってるの?」


 今歩いている道は確か、セキウの家の方向。昨日も通ったので、よく覚えている。セキウの家に行って……何をするんだろう?


「主様、記憶力いいね。でも、大丈夫だよ」


 ネヒィアが私の手を握りながら言う。だから私も握り返して、


「ネヒィアの手、温かいね」


 そう言うと、ネヒィアは嬉しそうに笑って私の腕に頭をくっ付けてくる。なんか今日は物凄く甘えてくるな、なんて思っていると、セキウの家の前に着いた。


 エナがささっと扉をノックすると、ハクがそっと出てきた。


「入っても……良いぞ」


 ハクはそれだけ言うと私達を中に入れてくれる。何か変な感じがした絵里は、


「ハク、元気?」


 そう心配しながら聞くと、ハクは歪んだ笑顔で、


「元気じゃぞ」


 それだけ返して、部屋の中へと向きを変えて行ってしまう。


「歓迎するわ」


 中に入ると、セキウがそう言いながら部屋の中央に案内してくれる。


「ここで、何をするの?」


 絵里がそう口を開くと、ネヒィアが絵里とエナの手を急に握って、


「ハク、ほら早く!」


 ハクに笑いかけながら言う。けれど、ハクは何故か嫌そうで……セキウの服を掴んで、視線をこちらに向けてくれない。そんなハクにセキウは頭を撫でてあげながら、優しく言葉を囁く。


「気にすることないわ。ほら、ハク」


 ハクはその言葉に深呼吸を一つ。そして、前を向いて、手を前に出す。それと同時に、白色の魔法陣が絵里達の下に浮かび上がる。


 そして……そのまま白色の光に包まれて……


「ありがとう……じゃ」


 最後、ハクの悲しげなお礼が耳に入ってきた。

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