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150.若返り

 

「はぁ……はぁ……」


 宿屋のベッドに座って、荒い呼吸を繰り返す絵里。競走したはいいものの、絵里は絞り出すように言う。


「疲れた……」


 おかしいな、もっと走れると思ったのに。と言うか、ネヒィアずるくない?スタートと同時に消えたと思ったら、宿屋に一瞬で帰ってるんだもん。


「主様。勝ったからまた、ご褒美ちょうだい?」


 ネヒィアがそう絵里に言うと、絵里は大きく深呼吸をする。そうして息を整えて、ネヒィアに手招きすると、頭を撫でてあげる。


 なんか、してやられた気がするけど……まあ、いっか。あとは……


「エナも」


 エナは、魔法を使わずに付いて来てくれたからね。よしよし。


 それから少しの間、エナもネヒィアも気持ち良さそうな顔をしながら、絵里に撫でられる続ける。


 こうして見ると本当に子供みたい。まあ……おっぱいは子供じゃないけど。


 絵里が胸欲しいな、とか思っていると不意に頭に手が置かれて……撫でられる。


 エナが私を撫でてくれるらしい。と、続けてネヒィアも。


「主様。お疲れ」


「絵理ちゃん、えらいわね」


 そんな感じでしばらくは、頭を撫で合っていた三人。


 けれど、途中からはエナが絵里の服の中に手を突っ込んで、体を撫で始める。


「エナそこは……んっ♡」


 絵里が少し体をもぞもぞしながら動き、エナが楽しそうに絵里の反応を見る中、ネヒィアは唐突に絵里の頭から手を離すと、


「主様、お姉ちゃん、夜までには帰ってくるから、それまで待ってて。いい?」


 そう言って立ち上がり扉に向かう。急な事にエナの手が止まってネヒィアの背中を見つめ言う。


「何しに行くの?ネヒィア」


「……カイメイに会ってくる」


 ネヒィアの答えに、エナは少しだけ間を空けてから口を開く。


「そう……いってらっしゃい」


「うん」


 ネヒィアが部屋から出て、エナと二人きり。ネヒィアらしくない気がするな、と思いながら絵里はベッドに寝っ転がった。


 すると、エナは絵里のお腹の上に頭を乗せて体を横にする。


「絵里ちゃん……」


「どうしたの?」


「頭……撫でてくれないかしら」


「いいよ」


 エナが絵里の服をぎゅっと握って、目を瞑る。そんなエナの頭を、絵里は優しく撫でてあげる。


 なんと言うか、発情期というよりかは、子供になったみたいな、そんな感じで……絵里もエナと一緒に目を瞑る。


「しっかりしたエナも可愛いけど、今のエナも可愛いね」


「そうかしら……絵里ちゃん」


 エナは絵里の体を抱きしめながら、どこか嬉しそうに、言葉の続きを言う。


「今日の夜までは、私の物……それまで、傍にいてくれる?」


 エナが、顔をぎゅっと絵里のお腹に押し付けてそう聞くと、絵里は優しく答える。


「今日の夜までなんかじゃないよ。死ぬまで……死んでも傍にいるよ、エナ」


 絵里の言葉に、エナは顔を赤くして絵里には聞こえない声で囁く。


「ありがとう。絵里ちゃん」

なんやかんやで150話ですね。ここまでくるなんて……とか思ったり思わなかったり。嬉しいですね。


まだまだ全然続きますので、気長にお読み下さい。


面白い、続きが読みたい、そう思ったらぜひブックマークそれと、

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