148.可愛さ
エナと手を繋いで、街の中を歩いて行く。今日一日ぐらいは、お姉ちゃんとイチャイチャしてあげて、とネヒィアは言っていた。
やっぱりネヒィアはエナの事が好きらしい。まあ、好きじゃなきゃ、こんな笑顔でエナと手を繋いではないよね。
絵里とネヒィア。二人に手を繋がれてどこか嬉しそうなエナに、絵里は面白半分で、
「ねぇ、私とネヒィアどっちが好き?」
そう聞いてみた。すると、エナはすんなりと答える。
「どっちも大好きよ」
そんなエナに、絵里は面白くなさそうな表情でエナを見ると、エナはにこっと優しく笑う。初めて見るそんなネヒィアに似た笑みに、絵里は一瞬驚く。
けれどすぐに、
「エナ、好きだよ」
絵里も笑みを浮かべながら、そう言う。それを見てネヒィアもエナに、
「お姉ちゃん。私も好きだよ」
ニヤニヤしながら言うと、エナは恥ずかしがるように、
「……ありがと」
ぽしょりとお礼を口にした。さっきは恥ずかしがらなかったのに……恥ずかしいの基準が分からないエナ。
まあ、そんな姿を見れて絵里とネヒィアは嬉しそうにしながら、セキウの家の前へと。
ネヒィアか扉をノックする。すると、
「誰かしら……あら、エナとその妹ちゃん。それと、可愛いお嬢ちゃんも」
ラフな赤い服を着たセキウが顔を出した。前会った時と違って、綺麗なお姉さんなんて印象。
「ねぇ、ハクはいる?」
「ええ、中にいるわよ。入っていいわ」
「お邪魔します」
セキウの家にお邪魔。広くて綺麗。物もちゃんと整理整頓してある。
そして部屋の隅にベッドが置いてあり、ハクがすやすや寝ている。
それを見てネヒィアが少し残念そうに言う。
「部屋、びしょびしょじゃないんだね。片付けたんだ」
「あら、この部屋に入ったのかしら?」
「私が入ってたら、気付けるでしょ?」
「……カイメイ?」
ネヒィアが頷くと、セキウはため息を吐きながら、ベッドに座る。
ネヒィアとセキウの会話が、全然分からない絵里がエナを見ると、耳元でこっそりと教えてくれた。
「カイメイは気配がほぼない悪魔なの。だから、気付いたら後ろにいるって事よくあるの。私も一回、それで殺されかけたわ」
カイメイと言う悪魔の顔は分かる。だからこそ……エナ、何やったんだろう?
なんて思いながら、絵里がエナを見ていると、セキウが、
「そういえば、名前言ってなかったわね。セキウよ。よろしく」
「白雪絵里です。よろしくお願いします」
互いに自己紹介をし終えた所で、ネヒィアが本題へと入る。
「セキウ。ハクを返してくれない?」
面白い、続きが読みたい、そう思ったらぜひブックマークそれと、
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