146.カイメイ
カイメイが思いっ切り扉を閉めた後、ネヒィアは絵里とエナに薄い布団をかけて隠すと、扉を開けて顔を出し、カイメイに話しかける。
「それで、なんの用?」
「わわっ、えっーと、その……エナさんと……約束をしてたのですが……」
カイメイが視線をすごい速度で、ぐるぐると動かしながらまた顔を赤くして、小さな声でそう言葉を零す。
どうやらこの服装でギリギリらしい。けれど、そんな事気にせずネヒィアは、
「どんな約束?」
そう聞くとカイメイは、えっーと……と言いながらポケットから小さな一冊の本と、宝石のような透明な石を取り出して、少し声を大きくして言う。
「こ、これをエナさんに……今日届けに……」
「うん。だいたい分かった、ありがとう。けど、お姉ちゃん今発情期だから……ちょっと寄ってく?」
「ええっと?発情期……そ、そんな大事な時期ならその……わ、私は帰り……」
「遊ぼうよ、ダメ?」
ネヒィアがカイメイの瞳を覗き込みながら優しく言うと、視線をさ迷わせながらあわあわするカイメイ。
その間に、ネヒィアはカイメイから貰った物を魔法陣の中へ入れる。視線を戻してから数秒の間を置いて、カイメイはこくりと頷いた。
そんなカイメイに微笑みを向けて、ネヒィアは部屋へと連れ込む。
中では布団がもぞもぞ動いては、荒い呼吸をする音が聞こえ、ビクビクと布団が揺れている。
カイメイはそれから勢いよく目を逸らして、下を向くと手で顔を覆う。
この動き、演技ではなく素でやってるからすごい。
ネヒィアも、絵里とエナには一瞬だけ視線をやって、カイメイに話かける。
「ねぇ、ハクどこか知らない?」
その言葉に、カイメイは体をピクっと震わせる。
「ハ、ハク先輩は……今、セキウさんの所です」
「何してるの?」
「そ、それはその……あの……な、仲直り?」
「……復縁したの?」
ネヒィアが驚くようにそう言うと、こくりとカイメイ。でも、こんな短い時間でどうして……
「ハクが言ってたの?」
「い、いえ……」
「それならどうして?」
ネヒィアが珍しくカイメイを質問攻めすると、口をぱくぱくさせて、言葉に詰まるカイメイ。ネヒィアはそれを見ていったん深呼吸。
するとカイメイはゆっくりとした口調で、説明を始めた。
「そ、その……先程、用があってセキウさんの所へ、行ったんです。その時、返事がなくて……か、勝手に部屋に入ったら……その……」
「……裸で抱き合って寝てた、とか?」
ネヒィアのそんなふざけた言葉に、カイメイはまさかのこくり。それにネヒィアは目を見開いて、納得したように、
「ヤったんだ、昨日。だから、帰ってかなかったんだ。ハク……やるね」
と、一人感心していると、何を思ったのかカイメイが付け足す。
「だ、だいぶ酷かったです……部屋、びしょびしょで……」
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