138/6.ハクのちょっとした過去2
七次元の悪魔は、七色の色を司る悪魔達の総称で、第一色から順に、黒、蒼、赤、黄、緑、白、紫、となっている。
かれこれ数百年前からずっと存在し続ける、ちょっと有名な悪魔の位で、これよりも上位の悪魔は数える程。
だからハクは悪魔の中ではかなり強い。
神獣であるエナやネヒィアと、ギリギリ張り合えることができ、本気を出されても、十秒ぐらいは耐えることが出来る。
そして、ハクが強い理由がもう一つ。ハクは七次元の悪魔の中で最年長。最も長く生きている、稀な悪魔なのだ。
悪魔にとって、生きた年数は強さに比例する。それ故に、技術で越されることはあれど、純粋な力では、悪魔の中でハクに追いつけるものは、ほんのひと握りなのだ。
そんな悪魔を今、抱き締めている、第四色、黄色を司る、メイデーは、ハクのが頷いた事を確認すると、
「場所を変える、来て」
そう言って、ハクの手を引いて人の少ない道へとどんどん進んでいく。
そうして五分もしないうちに、誰一人いない薄暗い路地に着く。
すると、メイデーは立ち止まってハクの手を離し、振り返る。
それから昔と全く変わらない、子供っぽい笑みを浮かべて、
「改めてハク、会えて嬉しい」
「おう。我もじゃ。元気しておったか、メイデー」
メイデーは一言で言い表すと、少年。厳密に言えば、悪魔に性別はない。じゃが、基本はどっちかに偏っている。
ハクは一応、少女という事なので、体も少し少女の体に似せている。
だから、おっぱいを大きくすることなんて造作もない。まあ、やらんが。それにもちろん中性もいるし、メイデーみたいな少年もいる。
「取り敢えず、どうしてここに?」
「ちょっと大事な用事があってな。我は付き添いで来たのだ」
「そうなんだ。ハクが誰かと行動するなんて、最近は珍しい事ばかりで楽しい」
「そ、そうなのか。それでメイデー、どうしたんじゃ?こんな所に連れて来て」
ハクの言葉にメイデーは周りに音が漏れないよう、結界を張ってから、
「セキウがこの国の大臣を二人殺した」
「そうか」
「分かってたんだ。残念」
ハクの驚きの現れない表情に、少しメイデーは肩を落とす。どうやら、驚くと思っていたらしい。
「まあ、会ったからのセキウに。その時、薄々な」
「そうか。元恋人同士だから、分かるのか」
「そ、そ、それはまあ、のう。あやつの事はそこそこ分かっておるんじゃ」
「ふふ、そう」
慌てふためくハクの可愛い姿に、楽しそうな笑みを零しながら、メイデーは満足する。ハクも変わらずにやっているらしい。
「それじゃ、次」
メイデーは特に声色は変えずに、次の話題に入る。
「ジザンサスが、行方不明になった」
ジザンサス。七次元の悪魔、第二色、蒼を司る悪魔。そして……
「ハク。嫌がらせされたから、もしかして殺した?」
魔王の国、王国ナタラを潰した直後、ハクを牢獄に閉じ込めた張本人である悪魔。
こんな時間にすいません。いい加減投稿しないと、と思いまして。
今月色々忙しくて……本当、ごめんなさい。投稿はできる限り頑張るつもりです。
三月には落ち着くと思いますので、今月はしばし投稿しない日が増えると思います。許して下さい。
面白い、続きが読みたい、そう思った方ぜひブックマークそれと、
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よろしくお願いします。