132.ナールへ
絵里が目を覚ますと、本当に朝だった。窓から眩しい朝日が差し、部屋にはハクが一人で……
「起きたか」
「おはよう、ハク」
「エナとネヒィアが待っておる」
ハクは魔法陣から私の制服を取り出し、着るように、と。
私はそれに袖を通す。ネヒィア達と一緒に買った下着を着て、その上にマーラが用意したのか、薄い白色のブラウス。それから青を基調とした上着とスカート。
エナが洗ってくれたのだろう。花のいい匂いがする。
でもこの制服、ネヒィアに取られてた気がする。制服が帰ってきたのは嬉しいけど、下着はどうしたんだろう?あと靴下とか……
「よし。行くぞ」
ハクの言葉に絵里はまあ、そのうちかな、と思いながら部屋から出る。
そうして、このお城の出入口である扉へ。そこにエナとネヒィア、そしてマーラがいた。
「おまたせ」
「おはよう。主様」
「それじゃ、行くわ。お世話になったわね」
「別に気にする事はないにゃー。またすぐ、会えるにゃー」
マーラが笑みを浮かべながら、絵里に視線を向けて、
「絵里ちゃん。またにゃー」
「うん。またね、マーラ」
絵里の頬にマーラはキスをして、お城の中に戻って行く。それが少し不思議に思えて……でも、ネヒィアに手を引っ張られて、
「行くよ、主様」
お城から出て、飛んだ。そしてそのまま、上へ上へ。
エナの隣にハクが付いて前へ。後ろに、ネヒィアと私。
どれぐらいの高さかは分からないけれど、やがて前へと進み始める。
「はい、主様。朝食べてないでしょ?」
ネヒィアがそう言って差し出してきたのはおにぎり。それを絵里は受け取って、
「うん。ありがとう、ネヒィア」
そう言って一口。美味しい……
「このおにぎりはネヒィアが作ったの?」
「うん。お姉ちゃんに教えてもらって」
「そうなんだ。すっごく美味しいよ」
「ありがとう、主様」
ネヒィアが嬉しそうにお礼を言って、笑う。そんな表情に、絵里も嬉しくて、おにぎりを全部食べて、ネヒィアの手をぎゅっと握る。
今から絵里が向かうナール。そこは王国であり、デバータ大陸で最も栄えている王国。
そして……『七次元の悪魔』の赤と黄そして、黒がいる、王国ナタラを潰した国である。
◆○◆○
『魔法・エネルギーの値が98%まで回復しました。肉体の蘇生が完了』
『これで、やっと……』
一章完結、と言えば完結でしょう。僕はそう思います。うん。
ここまで、1年ちょっと。いやー、短かった。でも楽しかった。
第二章も楽しく書ければと思ってますので、ぜひぜひよろしくです。
それでは〜
面白い、続きが読みたい、そう思った方ぜひブックマークそれと、
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よろしくお願いします。