表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

131/201

131.夢と記憶

 エナとの買い出しを終えて私は今、部屋で一人。


 エナは先程買ったものを魔法陣の中に入れそれから、ネヒィアの所に行った。マーラもハクも誰もいない部屋。一人になったのは久しぶりな気がする。


「やる事がない……」


 日は傾いて、オレンジ色に近い太陽の光が窓から差し、部屋を照らす。


 外は静かで、何も聞こえない。と言うか、よく考えてみれば、このお城の中の音すらも聞こえない。ただただ静かな部屋。


「うん……寝ようかな」


 ベットに寝っ転がって、布団をかける。そうして……絵里は驚くほどに早く眠りに落ちた。


 ◆○◆○


「起きろ、お主!」


「う……うぅ……」


 絵里は目を擦りながら、目を開き前を見る。すると、そこにはハクがいて……


「ここ……は?」


 知らない場所でハクが白く輝いていた。辺りは暗く、やけに広い。そして、地面と空間の境目がなくどちらが上で下かも分からない。


 けれど絵里は、数歩歩いてハクに近付く。ハクはそれを見て、いつもの声で言う。


「ここは夢の中じゃ。そしてお主は今、寝ておる。起きればきっと、朝じゃろう」


「そ、そう。それで……」


 知らないから教えてあげるよ、みたいな表情でハクは説明をしてくれる。その説明を聞き、絵里は大体のことを把握して、ハクに絵里は問う。


「どうして、ハクはここにいるの?」


「少し話をしようと思って……その、」


 ハクはそこで一旦息を吸ってから、


「お主の体の事じゃ。エナとネヒィアが調べて大体の事が分かった」


 それから、ハクは少し申し訳なさそうに絵里の体について話した。


 まずはもう、身長も胸も小さくなることはないらしい。


 そして、絵里の中に残っている魂は元の形の三分の一。エナ、ネヒィアと綺麗に三等分したのだから、まあ当たり前の結果だ。


 最後に、


「お主の記憶も、魂と一緒に三等分されたはずなのじゃ。記憶だけなら、体に戻せる。じゃが、その記憶を元に戻すのには少し時間がいる。それまで、待ってくれるか?」


 ハクは絵里の瞳を逃げずにじっと見る。それに絵里は、


「うん。大丈夫。待つよ」


「……お主には迷惑をかけてばかりじゃ……ナール国に行けば戻せるはずじゃ。すまんの」


「いいよ、全然。ハクが、気にすることじゃない」


 絵里はそう言うと、ハクを抱きしめ頭を撫でる。ハクはちょっとだけ暴れるが、やがて落ち着き、少し頬を染めて、目をつぶる。


 それからハクは、絵里の顔を擦り付け、


「我はお主が好きじゃ。我の物にしてやる。だからそれもついでに、待ってくれ」


 それを言い終わると、可愛い笑みを浮かべ、辺りが白くなる。


 そして、絵里はそのまま夢の中で目を瞑り、意識が飛んだ。

面白い、続きが読みたい、そう思った方ぜひブックマークそれと、

☆☆☆☆☆

↓↓↓

★★★★★

広告下の星を押してポイントを!ついでに、いいね!と思ったらいいね!ボタンをポチッと!

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ