120.あれれ?
「ここは私だけが知っている、秘密の場所にゃ」
マーラはそう言うと、優しく笑って辺りをぐるりと見渡す。
木々からの木漏れ日が揺れ動いている湖の奥を、そして、所々に咲く綺麗な白い花を。
「いい場所ね」
「うん。すごい。こんな綺麗な場所、久しぶりに来た」
エナとネヒィアが驚きながら声をあげ、
「これは……珍しい花じゃな。もう、見れぬと思っておったのだが……」
ハクがとても不思議そうに言葉を発する。
絵里は何も言わずに、辺りをゆっくりと見ていく。
こんな景色を見たのは初めてで……映画やアニメでしか見れない景色。
すごいなー、綺麗だなー、なんて思いっていると、
「それじゃ、奥に行くにゃ。奥には花が咲いてるにゃ」
マーラがそう皆に言って歩き出す。それを聞いて、絵里達はマーラの後を追うように、歩き始める。
湖の周りを回って、木々の間をすり抜けて行く。
すると十分も経たずに、木がまばらになって行き、少しずつ太陽の光が眩しくなる。
眩しくなっていく内、絵里は眩しさを紛らすため腕をおでこの辺りに持ってきて、目に影を作る。
そして……一際眩しくなって、目を少しの間だけ閉じて歩いたら……
「ここにゃー。ここが終点にゃー」
マーラの声が聞こえて、絵里は目を開けた。その瞬間、風が優しく吹き一瞬誰かがそこに立っていた。
見覚えがあるようなないような……
「あれは……」
絵里が思わず口から言葉を漏らすと、マーラが首を傾げて、絵里に言う。
「何かあるにゃ?」
絵里はその言葉を聞いて、マーラに視線をやって……また、戻した時には、もう誰もいなかった。
「えーと、いや、なんでもないよ。気にしないで」
絵里は誤魔化すようにマーラに首を振りながら答えて、
「それよりも、行こうよ」
歩き始めながら、そうマーラに言う。
マーラもそれ以上は何も言わずに、絵里について行く。
色々な色の花が咲いている綺麗なその場所で、絵里達五人は少しの間休憩したりはしゃいだりして、それから王国へと来た道を戻った。
日の入りはそこそこ早いのだろう。王国に着く頃には日が既に傾き、空がオレンジ色になっている。
「早く帰ってお風呂にゃー。今日は沢山歩いたにゃ」
ぞろぞろと歩きながらお城へと向かい、夜になるほんの少し前に、お城へと到着した。
今日一日楽しかった。絵里はそう思いながらにこにこと笑顔を浮かべる。
と、マーラが少し大きな声で、
「お風呂は私と絵里ちゃん。その他に分かれるにゃー」
絵里の腕を掴んで、連れていこうとする。
けれど、そんなマーラの言葉に反応したのは意外にもハクであり、
「いや、今日一日の仕事はどうするんじゃ?」
そんなハクの言葉に固まり……
「わ、忘れてたにゃー。絵里ちゃん、お風呂は明日一緒に入るにゃー……」
マーラは少し元気をなくして、どこかへ行ってしまう。
それを見てハクも、
「我も用事がある。また明日じゃ」
そう言って魔法陣の中に消えてしまう。
残ったのは絵里とネヒィアとエナだけで……絵里は少しだけおかしいなと思いながらも、取り敢えずお風呂に入る事にした。
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
新年一発目、何かいい事があれば良いのですが……まあ、悪い事がないと言うのがいい事なのでしょうね。
あまり求めて過ぎても、疲れるだけですから……ゲームでもして、のんびり過ごして……寝ます。では!
面白い、続きが読みたい、そう思った方ぜひブックマークそれと、
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よろしくお願いします。