117.ヤバい
うぅ……お腹がいっぱい……
シチューをなんとか食べ終わった絵里は、お腹に手を置いて、静かに、ゆっくり、呼吸を繰り返す。
想像以上にお腹がやばい……
「ごちそうさまにゃー」
「ごちそうさま」
マーラとネヒィアがエナの料理含めて、頼んだ料理を完食。
まだ食べ終わっていないのは、エナとハクだけになる。
そんな中、
「食器を片付けて来るにゃー」
マーラはそう言うと立ち上がり、お皿を手に持ってどこかに行ってしまう。
それを絵里は無言で聞き流し、少しずつ良くなっていくお腹を撫でる。
そんな絵里を見て、
「主様。やばい?」
ネヒィアが心配そうに話しかける。
絵里は首を横に振って、
「大丈夫。気にしないで」
絵里の言葉にネヒィアは少し心配そうな表情になるが、何も言わず絵里の頭を撫でる。
絵里は少し驚きながらも、そのままネヒィアに撫でられ続ける。
……ネヒィアは撫でるのが上手。
そしてそのまま、絵里はボッーと目を瞑り……
「それでお姉ちゃん。さっきからずっとハクが拗ねてるから、許してあげて?」
「……嫌よ」
「ふん。我は別にいい」
あーあ。まだ喧嘩してる。ハクも機嫌悪いし……仲直りしてくれないかな……
絵里はチラッと目を開いて、ハクとエナを見る。二人とも機嫌が悪くて……えっ、ハクそう言えばオムライス食べてたんだ……可愛い。
絵里がハクを見ていると、ネヒィアが、
「主様……どうしたらいいと思う?」
珍しく気弱にそんな事を耳元で呟いてくる。
絵里は少し考えてから、顔を上げると、
「エナ。ハクを許してあげて、ね?」
「……絵里ちゃんが言っても……」
「もし、私がなんでもするって言ったら?」
「そ、それは……」
ネヒィアのおかげで、楽になった絵里は立ち上がって、エナの後ろに回る。
そして、
「ほら、エナ。許してあげて」
エナの耳元で優しく言葉をかけつつ、息を吹きかける絵里。
それにエナは体を震わせながらも、
「わ……分かったわよ。ハク、怒って悪かったわ」
ハクにちゃんと謝った。
けれど……ハクは何も言わず、オムライスを食べ始めた。
そんなハクに驚く絵里だが、エナはさらに不機嫌になる。
「いい度胸ね」
それを見てネヒィアが、
「ハク。お姉ちゃんに謝って。主様がなんでもしてくれるから」
ハクにそんな事を……
えっ、ど、どうしよう。まあ、いいにはいいけど……
絵里が少し戸惑う中、ハクはオムライスを食べる手を止めて、
「その……悪かった……」
それを聞いて、エナも機嫌を取り戻し、
「まあ、お互い様よ。これで仲直りね」
いつものエナの声でそう言って……
「それで絵里ちゃん。なんでもするって言ったわよね?」
エナが珍しく不気味な笑みを浮かべながら、絵里の腕を掴んで、
「逃げたらダメよ?」
顔と顔がくっ付くぐらいの距離で、一言そう言った。
面白い、続きが読みたい、そう思った方ぜひブックマークそれと、
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