113.お昼ご飯
ハクの頭をネヒィアがよしよししながら、ぞろぞろとみんなで歩く。
なんやかんやでお昼前。空は快晴で心地よく、暖かい風が優しく吹く。
マーラが買ったみんなの下着を、エナが魔法陣の中……食器などが入っているであろう場所にしまい、
「お昼はどこがいいかしら?」
振り返って皆に問う。
するとマーラが、
「有名なのは、ケーキ屋さんにゃ」
ケーキ……ね。絵里は、少し考えながらもマーラに、
「それ以外の、有名なお店はないの?」
「それ以外だと……だいたいなんでもあるお店があるにゃ」
「主様は、どっちがいいの?」
ハクを撫でながら、ネヒィアが絵里に聞く。
まあ、正直どっちでも良いけれど……
「ケーキはいいかな……いっぱい食べたから……」
オセラと一緒に、マーラが言ったケーキ屋さんで食べたし、その前にもマーラが作ったとか言っていたケーキ食べたから……
「分かったにゃー。それじゃ、こっちにゃー」
マーラが楽しそうにくるっと方向転換して、みんなはその後をついて行く。
数分歩くと、少し大きな食堂……みたいな建物に着いた。
マーラは、なんの迷いもなく常に開けられているであろう入口から、お店の中に入る。
絵里も特に迷うことなく入り、
「大きい……」
あんまり人はいないけど……でも、大きい。明らかに外から見た、想像した広さとは違う。
だから不思議そうに中を見る絵里に、
「……そうね。絵里ちゃんにとっては珍しいわよね。魔法で広くしているのよ」
へー。エナが何も聞いていないのに、説明してくれる。さすが。
と、一番最初に入ったマーラが
「こっちに来るにゃー」
そう言って少し離れた所で手招きをしている。人があまりいないので席はガラガラ。
けれど、マーラがいる場所はこのお店の中央。まあ、絵里はそこまで気にせずマーラの場所まで行き座る。
「みんな揃ったにゃー。はい、これがメニューにゃー。それと、このお店は作りたいものがあれば、あそこで作れるにゃー」
そう言ってマーラは指を指す。確かに料理が出来る場所がある。誰も料理してないけど……
「食べたい物が決まったら、私に言うにゃー」
その言葉を聞いて、絵里は視線をメニューに落とす。確かに種類は沢山ある。
でも……ご飯ものが意外と少ない……まあ、しょうがないか。
絵里はペラペラとメニューをめくりながら、少しドキドキする。
友達と遊んだ事なんて数えるぐらいの絵里は、今日少し緊張している。
この、今の無言の時間とかみんな何考えてんだろう。
そんな事を思いつつも、絵里は食べたいものを決める。
ご飯系は少ないから、パン系で……甘いもの……あっ、これ……
絵里の目に止まったのは、人生の中で一番多く作ってきたであろう、好きな食べ物。
絵里はにこにこしながら、久しぶりに食べたいと思い、フレンチトーストに決めたのだった。
面白い、続きが読みたい、そう思った方ぜひブックマークそれと、
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