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110/201

110.怒ってる?

 

「これはどうかにゃー?」


 マーラが水色の下着を選んで、絵里の前に持っていく。


 絵里は暖色系よりも寒色系の方が似合う。水色や薄紫色、あとは藍色とか。赤やオレンジよりも全然似合う。


 だから、マーラもそんな感じの色を選ぶ。


 けれど、ネヒィアがしれっと


「主様。白か黒はどう?」


 白色と黒色の下着を両手に持って、絵里に見せる。


 いつしか、絵里の下着を選ぶ時間になっているが、絵里は絵里でネヒィアの下着を選ぶと言った。


 だから一応、


「白はネヒィアとハクの方が似合うと思うよ。あと、黒はエナの方が……」


「今は主様。着て、どっちか」


「え、えっと……今、黒色の下着を着てるから……」


「なら、まずは見せて。ほら」


 ネヒィアが絵里の腕を引っ張って試着室に連れ込む。それにちゃっかりマーラも入り、絵里は戸惑いながらも上を脱ぐ。


 太ももまでを隠していたパーカーを脱げば、黒タイツが腰から足先までしっかり見える。


 それ故に、


「……主様、下は?」


 パンツのラインがない。


 これはもう完全に履いてない、そう確信してネヒィアは、絵里の黒タイツに手を伸ばし……


「ま、待ってネヒィア!ダメ」


「なんで?」


 ネヒィアが面白そうに首を傾げて問う。


 それに絵里は恥ずかしそうに、


「……は、履いてないから」


「本当に、主様?見せて」


「ちょ、やめて、ネヒィア。この、ダメ」


「見せて、変態主様。ノーパン主様」


「ネ、ネヒィア?待って、やめて。そんな呼び方やめて」


「なら、見せて?」


 うぅ……なんかネヒィアが、ずるくなってる。で、でもまあ、ネヒィアとマーラだから……


 絵里はゆっくりと黒タイツを脱いでいく。そうして太ももまでずらして……


「そ、その……こ、これでいい?」


「ふーん。変態主様」


「ネ、ネヒィア?なんで?見せた、見せたよね?」


「嘘。可愛いね、主様」


「ネヒィアも意地が悪くなったにゃー。絵里ちゃん、涙目にゃー」


 もうやだ。……帰りたい


「下着はどうするにゃー?」


「……水色と黒と白」


「分かったにゃー」


 黒タイツを履き直して、パーカーを着た絵里は、それだけ言うと試着室を出る。


 それにマーラとネヒィアもついて行く。


「ネヒィアは……髪の色と同じやつで良いんじゃない」


 絵里が先程の場所に戻って、テンション低めで下着に指を指す。


「それ以外はない、主様?」


「……ネヒィアって下着着るの?」


「あんまり着ない」


「……服は?」


「あんまり着ない」


「……これとこれ」


 絵里はちょっと間を置いてからネヒィアに、全体的に色の主張が弱い、赤と黄色を差し出す。


「……こういう色は中々着ないけど……主様が良いって言うなら、決まりで……」


 ネヒィアが、下着を持つ係のマーラに渡そうとした時、


「……何言ってるの?今から着て」


 ネヒィアの腕を掴んで試着室に連れ込む。そして、


「脱いで。早く。下着着たらそのまま会計しよ。いいよねネヒィア?」


「あ、主様……怒ってる?」


「怒ってない」


「絵里ちゃん怒ってるにゃー」


 しれっと入ってきたマーラの呟きを無視して、絵里はネヒィアの服を脱がす。


「まっ、待って謝るから主様。ダメっ」


 そんなネヒィアの声も無視して、絵里は手際良くネヒィアの服を脱がしていった。

今週投稿頑張ります。早いもので、今年がもう終わる……


面白い、続きが読みたい、そう思った方ぜひブックマークそれと

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