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109/201

109.あれ、なんか……

 

「でも……今はダメ」


 絵里の手をネヒィアは優しく握る。


 すると一瞬、ネヒィアから少し温かいものが流れてきて……


「主様、一緒に行こう」


 ネヒィアが可愛い笑みを浮かべながらそう言う。けれど、絵里は、


「う、うん。いいよ」


 先程のように興奮することなく、いつも通りの反応で返した。


 それにマーラが一瞬目を見開くが、すぐにニヤニヤしながら絵里の空いている方の腕を掴んで、絵里を引っ張る。


「時間は有限にゃー。早く行くにゃー」


「ちょ、エ、エナも行こ……」


 マーラに引っ張られながらも、いまだに不機嫌なエナの方を向いて声をかける。


 と、とりあえず、どうすればいいかは分からないけれど、


「エナのそのお団子、すごく似合ってるよっ!」


 エナの事を褒め、そのままマーラとネヒィアと一緒に廊下を曲がって姿を消す。


 残されたエナは、


「ハク、来なさい」


 ハクの名を呼んで、


「ついて行くわよ」


 魔法陣からちょこっとだけ顔を出したハクに、少しだけ安心した笑みを浮かべながら言い、歩き始めた。


 ♡◆♡◆


「到着にゃー」


 ネヒィアとマーラ、そして絵里が最初に噴水のある広場に到着。そして、エナ、ハクが数十秒間を置いて到着した。


「まずは、下着からにゃー。ねっ、絵里ちゃん」


「えーと、皆がそれでいいなら……」


 絵里はくるっと皆を見てまあ、特に文句はなさそうだったので、


「行こうか」


「やったにゃー」


「それで、どこなの?」


「着いてくるにゃー」


 そう言ってまた絵里を引っ張って歩き出すマーラ。


 絵里は一言も喋らなかったネヒィアの方をちらっと見ると、エナと目配せしていて……絵里はマーラの思うがまま、歩いて行く。


 数分もしないうちに、マーラは足を止めて、


「中に入るにゃー」


 指を指しながらそう言った。


 するとネヒィアが、


「主様、お姉ちゃんの下着も選んであげてね?」


「うん、いいよ」


 楽しそうにそう言って、


「お姉ちゃん、今パンツ履いてないから」


 そう言いながら、エナの服を掴むと上に上げようとする。


 それを、


「いい、いい。大丈夫だから」


 絵里は慌てて止めて、


「ほら、早く中に入ろ」


 絵里は中に入ろうとするが……エナが何故か絵里のパーカーの裾を掴んで、


「み、見てくれないの?」


 そんな事を言ってくる。絵里は戸惑いつつも、


「あー……あ、後でね」


 そう言って、逃げるようにお店の中に入る。後ろのエナとハクも続けて入って……


「それならまずは、私のから選んで貰うにゃー」


 マーラがなにか面白いものを見るように、エナをちらっと見て、笑みを浮かべながら、


「ハクはエナに選んで貰うといいにゃー」


 それだけハクに言って、絵里と一緒にお店の中を回り始めた。

面白い、続きが読みたい、そう思った方ぜひブックマークそれと、

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