107.服のセンス
「それで、どんな服がいいにゃー?」
今、絵里がいるのはネヒィアとデートする前に服を選んだ場所。そう、マーラの部屋。
ネヒィアと一緒に寝ていた部屋を出てすぐ、マーラに捕まり、ネヒィアと引き剥がされた……まあ、ネヒィアもネヒィアで納得は、していた。
どうやら今回、マーラが全てお金を出すらしい。だから私を借りると……
そんな会話をして、ここまで抱かれてきた訳だが……
「えーと……マーラはどんな服を着るの?」
「そうにゃー、こんな服とか、こんなのも着るにゃー」
そう言ってマーラは、服を何着か手に取る。
どれもマーラに似合いそうな服。ドレスみたいなものだったり、ロングスカートと上はシンプルな、少し大きめのポロシャツだったり……
もしかして、マーラって意外となんでも似合う?
友達が少ない人ほど、興味が無い自分の服。絵里は着れれば、服はそれでいいと思っている人間。
故に生まれてこのかた、ファッションを知らない。
だから簡単に言うと服のセンスがない。
そして、それとは真逆のマーラ。
自分に似合う服を知っているというのは、意外と強いかもしれないない。
私もなにか無いかな。制服以外で……
「絵理ちゃん?どうしたにゃー?」
「えっ、いや、マーラはなんでも似合うなーって思っただけ」
絵里は思考をぶった切って、マーラを褒めると、逃げるように適当に近くにあった、パーカーを手に取った。
たった一色、薄い水色だけ使われた柄も何もないパーカー。
家によくいる……決して引きこもりでない人間にとって、パーカーとジャージは正義である。
「絵理ちゃん。その服がいいにゃー?」
「う、うん。下は何がいいと思う?」
「……黒タイツがいいと思うにゃー」
少し間を開けてから、マーラは少し遠くにあるらしい黒タイツを持ってきた。
そして、
「このパーカーは少し大きくして……これで履くにゃー」
マーラが少しにこにこしながら、絵里に大きくしたパーカーと黒タイツを渡す。
絵里は今着ている服を脱いでから、先に黒タイツを履く。
腰から足先までの長いやつ。
学校に行く時も冬は着ていた。まあ、私以外のほとんどが足出してて……なんか浮いてた気がする。
「おー、絵里ちゃんはやっぱり黒が似合うにゃー」
何秒かで履いて、上も着ようとした瞬間、マーラが少し興奮したように、絵里を見る。
そして、マーラは楽しそうに、
「ブラは着るにゃー。これにゃー」
黒いブラジャーを渡してきた。
そこで初めて下着を着てない事に気付いて……
「下はそれでいいにゃー!」
脱ごうとして、マーラに止められる。そして、
「ほら、早く早く、着るにゃー」
マーラが絵里に服を手際良く着せて、
「可愛いにゃー。絵里ちゃん!」
絵里を褒めつつ、絵里を撫で、わしゃわしゃする。
絵里は抵抗せずなるがままに。
と、白い魔法陣が空中に描かれて、ひょこっとハクが顔を出す。
「準備出来たか?……可愛いな、お主」
平然と絵里を褒めるハク。そんなハクに、
「ハクも可愛いね、その服」
マーラに撫でられながらも絵里も褒めて返す。
すると……ハクが少し顔を赤くして、
「は、早くしろ。ネヒィアが待っておるぞ!」
それだけ言って、魔法陣の中に入り消えていった。
絵里はきょとんと首を傾げて、マーラに撫でられ続けるのだった。
もう12月ですね。早いものです。
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