105.会議
「今いるのが、ここにゃー」
マーラが地図に印をつけて、指し示す。
地図にある大陸は五個。少し歪ではあるが、サイコロの五の目みたいな感じで、それぞれの大陸が海を挟んで存在している。
マーラが印をつけたのは右下の、南東にある大陸で、二番目に大きさ的には小さい。
そんな大陸の、南西に印がしてある。
「まずは、絵里ちゃんに軽く説明をするにゃー」
そう言うと、地図が印をしている大陸だけが見えるように、ズームする。
「まず今、私たちがいる大陸は、デバータと言うにゃ。そして、今いる王国がリーヤ。私の国にゃ」
マーラが嬉しそうに言うと、王国リーヤから少し右上……北東に移動して、
「五つの大陸の真ん中には、その大陸で一番栄えている国があるにゃ。デバータの真ん中には、ナール国があるにゃ」
地図に印がついて、ナール国の場所が本当に真ん中にあると分かる。
「それで、ナール国に行くのか?」
ハクが首を傾げながら、問う。
「ええ、そうね」
「主様、それでいい?」
「え、えーと、別にいいよ。けど、何するの?」
絵里は戸惑いながらも返事をして、頷く。
けれど確かに、これといって行く目的がない。と言うか、そもそも絵里達は最初から何か目的があると言う訳では無いのだ。
絵里の言葉に、ネヒィアは少し考えてから、
「まあ、観光?」
可愛く首を傾げてそう言った。
最初から断る理由もない絵里は、
「それなら、いつ行くの?」
「明後日の朝にゃー」
マーラが絵里の問に答え、
「私は行けないにゃー」
そう言いながら地図をしまい出す。
「まあ、そうじゃな。それなら、我と絵里とエナとネヒィアの四人か?」
「……それでいい?主様」
「う、うん。いいよ」
ネヒィアが少し不機嫌に、言葉を発する。
絵里は頷きつつ、言葉を返して……ふと、この王国の反対側ってどこなのかと、
「ねぇ、マーラ。この王国の反対側に国はある?」
「……あるには、あるにゃ」
少し間を置いてマーラが答える。地図を再び出してくれて、北西の一番小さな大陸を指す。
「カーミン。この大陸はあまり栄えてないにゃ。その大陸の真ん中が、リーヤの反対側にゃ。イリムって国にゃ」
「……主様。この国は、あんまり行かない方がいいよ」
「えっ、どうして?」
「この国ね、戦争をしまくってるの。だから、その大陸が1番小さいのもそれが原因で、ずっと小さくなり続けてる。行っても死体ぐらいしかないよ」
ネヒィアが軽い感じでそう言うと、マーラも
「おすすめ出来ない国……いや、大陸にゃ」
そう言ってマーラは静かに地図をしまった。
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